サイボーグな彼女

出会い 1 ki ページ6

「お疲れ様です」

声と共に2人入ってくる。
後ろにいる女の子がそう、ってことか。

「「「お疲れ様です」」」


挨拶するけど、それより何より顔が見たい。
けど「あまり気にしてません」を装う。

と、ひょこっとその子が一歩出る。



…ちょっと背が高くない？



「すいません、北山さんの後任マネージャー連れて来ました」

「あぁ、どうもー」

切り替えて立ち上がってその子を見る。



…目線ほぼ一緒だな。

ちぇっ。



「はじめまして、とは限らないのかな。北山宏光です、よろしくお願いします」

事務所に居たって言うし、もしかして会ったことあるかも。
手を出して挨拶する。

「ほぼ、はじめましてです、AAです」

ものすごく緊張してるみたいだから、手を強めに握った。



でも彼女はノーリアクション。



「マネージャーは初なので、慣れるまでご迷惑おかけするかも知れませんが、出来るだけ早く慣れますんで」

「ん、よろしく」

それだけ言うと、手を離してスマホを取り出す。



「連絡先は？」

「あ、ハイ」



連絡先の交換の操作がスムーズなところを見ると、機械音痴ではなさそう。



「うわ、北山さんチャラ」

「黙れ千賀」

案の定千賀からツッコミが入って面白い。



「はい、じゃあ来週からよろしくお願いします」

お辞儀すると

「はい、こちらこそよろしくお願いします」

慌ててお辞儀してくれて
改めてAさんを見る。



本当に普通の子だった。
可愛いわけでも、可愛くないわけでもない。

若干背が高く見えるのはヒールのせいだ、うん。



「はいはーい、Aさんいくつ？」

二階堂が聞く。

「北山さんと同い年です」

へータメなのは嬉しいな。
会話に困らない。

「へー、じゃあ年上か。あんまり見えないね」

二階堂が笑顔だけどニコリともしないAさん。



「はいはーい、Aさん好きなアニメは？」

次の質問は宮田らしい。

「アニメですか？ジブリとノイタミナ系が少しです」

「おっ！いいね！！」

宮田は笑顔だけど、やっぱ笑わない。




「はいはーい、Aさん旦那さんか彼氏居ますか？」

千賀が聞く。

「いません」

ものすごくキッパリ答える。

「へー…」

とだけ答える千賀。




「「何も無いんかいっ！！」」

すかさず二階堂と宮田が突っ込んで笑ってるけど、能面のように顔を変えない彼女。



…本当に笑わないんだー。

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