サイボーグな彼女

マネージャー開始 2 ki ページ19

収録の合間
俺たちは楽屋でセットの変更待ちをしてた。

マネージャーたちは打ち合わせだ。



「ミツー、俺の車にも加湿器ちょーだい」

「あげませーん」



タマが最近俺の送迎車の加湿器を狙ってる。



「後ろにあんなにいらないでしょー？」

「お前が俺の車に乗る時無くなるぞ？」

「いーよ、そん時は宮田が後ろに行けばいいしー」

タマが言うから

「ちょいちょーい！！」

遠くで宮田がつっこんでる。



「どう？女マネ」



タマが無視して続ける。
遠くで宮田が「俺無視？」って嘆いてる。



「んー、思ったより楽。今では車に乗って秒で寝てるし」

俺も宮田のフォローをすることなくタマとの会話を続ける。

「それ、昔からだよ」

「あ、そか。……でもだからこそ、それが出来てるからまぁいいんだよ」

「あぁ、なるほど」

タマはそれで興味なくなったのか
テーブルにある雑誌を手に取って読み出した。



「てかさー、運転上手いよね」

二階堂が言い出す。

「そう、俺も思った。この前の現場でしょ？」

千賀も言う。



「ものすごい細いクランクからの激ムズパーキングだったのに」

「一発だったね」

「マジかっけー」

ニカ千が盛り上がってる。



だいぶAさんの良さは伝わってる。



ただ
1ヵ月経つのに俺との距離は全く縮まらない。



移動は俺ほとんど寝てるから余計にだよなー。
加湿器にブランケットでホント秒で寝れる。

少し話せるように、メシでも誘ってみようかな。
そーなるとサシは微妙だな。



多分仲良いのは……



「なー、タマ」

「ん？」

雑誌から目を離さず返事するタマ。

「今度さー、マネージャー入れてメシ行かね？」

「は？……別にいいけど、ミツの奢りね」

一瞬顔を上げて『何で？』って言いたげに俺を見ると
何となく察してくれたのか言う。



タマのマネージャーとが一番仲良さそうなのを多分タマも気づいてる。



「えー、俺たちも行きたいー」

ニカ千が羨ましそうに俺らを見る。

「お前らは皆でやる忘年会でいーだろ」

「ズルいー俺もAちゃんと飲みたいー」



は？

二階堂お前、Aさんをちゃんづけで呼んでんの？



そうこうしてると
マネージャーたちが戻ってきた。

けど
その中にAさんがいない。



しばらくすると
Aさんが戻ってくる。



「5分後収録再開なのでスタンバイして下さいだそうです」

「「「はーい」」」



一瞬Aさんと目が合ったけど
ニカの件がチラついてすぐ逸らした。

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