恋バナというより… ページ38
アコside
Aちゃんに盛大にウーロン茶を吹きかけた私。
太輔とのこと気にしてるくらいだから
もしかして太輔にガチ恋した?
と思ったら、
「そしたら、こっちも会えないの我慢してるのに、会いたい会いたい連呼されて、会えないってなると相手は浮気するでしょ?なにそれ、ってなっちゃって」
…話聞く限り違うな。
恋愛こじらせてるタイプかな。
「仕事と俺どっちが大事?って聞かれたこともあったなー。女子かよ、って話だけど」
「いやいや、Aさん女子でしょ」
武田さんがつっこむ。
「そうなんですけどね」
笑うAちゃん。
「浮気されてダメだったから、次の人のときに今度はちゃんと時間作ろうと思って出来るだけ時間作ろうとしたんです。休みのたびに会うとか仕事帰りに少しでも会うとか結構頑張ったら、疲れちゃって。いま恋愛はお休み中です」
「…なるほど」
武田さんがあからさまにホッとしてる。
太輔の心配してたんだろーな。
でも、そんなに態度に出さなくても。
思わず睨みつけて、太輔にくすっと笑われる。
「そのタイミングで仕事楽しくなって、今は恋愛よりとにかく沢山の人に自分のネイルで喜んでもらえる方が嬉しくて」
「あー、なんかわかるかな」
お客様に
ありがとうって言われたり
喜んでもらえると
それだけで満足して満ち足りて。
恋愛の相手に必要とされてるのに似てるから
そこに自分の存在価値見出せて。
昔と比べて仕事で自分に出来ること広がってるから
恋愛より仕事が楽しくなるんだよね。
「…わかる??」
「わかる。恋愛より自分の存在意義ハッキリするよね、お客様の反応って」
「やればやった分返ってくるから、やり甲斐あるよね」
「そう!!」
ガッチリ握手する私とAちゃん。
もはや、
恋バナというより、仕事の流儀、的な。
…武田さんも太輔も引いたかなー、と思ったら
なんか面白いもの見てる、みたいな顔でこっち見てる。
「なんかさー、違うよな」
「な」
太輔と武田さんが言う。
「何よ」
「ほら、俺らの周りのキラキラした女の子ってこういう時の話ってやっぱ恋愛トークなら恋愛トークになりがちで」
「悪かったわね、キラキラした女の子じゃなくて」
思わず途中で話を切る。
太輔のこういう悪気ない素の言い方ってたまに本当に腹立つ。
「え、でも根本は同じですよ、この話も恋バナも。結局目の前の人に認められたい、ってことだし」
サラッと返すAちゃん。
…大人だなー。
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作者名:shizu | 作成日時:2018年10月5日 4時