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どうしたらいい? ページ40

なんだかんだで、あっという間に始発の時間。

「お見送りしますよー!」なんて、アコとAちゃんがついてくる。


駅に着くと、本当に始発か?ってくらい人がごった返してる。
席はマネージャーが事前に手配していたおかげで確保済み。

「発券してくる」

マネージャーが席を外す。

さすがに今日は
人のあまりいないところで待つことにする。


「私、飲み物買ってくるー。太輔なんか欲しいものある?」

「あ、野菜ジュース欲しい」

「おっけー」

アコが売店に向かう。


俺とAちゃんの2人になった。



「今日はありがとうございました」

「えっ?」

Aちゃんが突然お礼を言うからびっくりする。

「藤ヶ谷さんが一緒にどうぞ、って言ってくれたおかげで、今日過ごせたから」

「いや、俺の方がありがとうなんだけど」

「え??」


キョトンとしてるAちゃん。

俺が救われてたのは俺しか知らない。
そりゃそーだよな。

でも話すと長くなるからまたの機会にしたい。
今は時間がない。


「てかさー、呼び方。藤ヶ谷さんって距離感じるんだけど」

「…たいぴー呼びは勢いなんでもう出来ませんよ」

「いいじゃん、いつも呼んでくれてるんでしょ?」


距離詰めたいんだよ。

なんか、今日はありがとうございました、って言い方も。
今日が彼女の中では過去の思い出になってて、もう次がないって、彼女の中で決めてる気がする。

お願いだから、終わりにしないで欲しい。


「…じゃあ、ねぇ、たいぴー」


…ヤバい。
自分から要求したのに、めちゃくちゃ照れる。
多分いま真っ赤だ。

Aちゃんの方を向かなくなる。


「ん、何?」

「…照れるなら呼び方変えさせないでよ」

堪らず笑うAちゃん。


「ごめん、何?Aちゃん」

俺もつられて笑った。


「これからもずっとファンでいますから」


…ほら、もう終わりって言い方になってる。


「当たり前でしょ、俺、どんどんAちゃん夢中にさせるから」

「うわー!キングだぁ、生キング!」

嬉しそうに笑う彼女。


どうしたら、次に繋がる??

焦るほど、言葉は出てこなくて彼女と一緒に笑うのが精一杯だ。

結局、


「LINE、絶対返してよ」

「え?」

「だって、俺ら友達でしょ?友達ならLINEで連絡取り合うよね?」


なんて、普通のことしか出て来なかった。


「静岡来る時は絶対連絡するから」

「また電車止まるかもよ?」

「そしたら今度は俺がお茶吹く」

俺の言葉に笑う彼女。

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作者名:shizu | 作成日時:2018年10月5日 4時

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