この想いの結末は (ページ29)

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周りにいないタイプページ29

「今日はロケか何かなんですか？」

Aさんがマネージャーに話し掛ける。

「そうなんですよ、ロケで来てたんです」

「へー、ロケ終わりで時間あったからアコちゃん呼んだ感じなんですか？」

と、俺じゃなくてアコとマネージャーを見る。

…おや？
俺の話なのにそっち見る？

「違う違うー。ねー。」

アコが言いながらマネージャーに同意を求める。
マネージャーは頷きながら

「我儘言うヤツがいて、同級生呼び出して巻き込んだんですよ」

と言い、マネージャーはチラッと俺を見る。

「そーそー、パフェ食べないと帰らないーって騒いで」

アコもチラッと俺を見る。

「…騒いではいないだろ、ちょっと言ってみただけで…」

「「相当しつこかったけど」」

俺の言葉にマネージャーとアコの言葉がハモる。

Aさんがプッと吹き出した。

「2人とも言うなら相当なんだね」

「もう引くレベル。パフェのためにAちゃんも使ってるあのスクラブ10個買ってくれてるんだよ、コイツ」

「えっ！？あれを！？」

って、Aさんが初めて俺を見る。

俺も思わず見ると、パッと目を逸らす。

…さすがにツッこんでいいかな。

俺の気持ちをアコが代弁してくれる。

「…ねえ、ひろみちゃん、緊張し過ぎじゃない？」

「するに決まってるでしょ」

消え入りそうな声。
思わず俺が吹き出してしまった。

しまった。
…これじゃ余計に気まずくなるじゃないか。

「藤ヶ谷さん、考えてみて下さい？」

「何を？」

「…ものすごーく畏れ多いことを言いますよ」

「はぁ」

なんだよ、もったいぶるなぁ。

「…自分の隣に、安室奈美恵さんがいると思って下さい」

……………。

「……参りました」

俺は深々と頭を下げる。

そうか、そういうことか。

マネージャーとアコは爆笑。

「畏れ多いて！！」

「そりゃそうだよ、隣に居るのを想像する例えだとしても自分のこと安室奈美恵さんって！失礼にもほどがあるもんっ！！」

真っ赤になってるAさん。

自分の周りはファンってなるとガツガツくる人が多いから、なんか新鮮。

「そんなに美味しいパフェなんですか？」

「そうなんですよ、すぐそこの喫茶店なんだけどね」

「…えっ？？？」

Aさんの顔色が変わる。

「…ストロベリースペシャルですか？？」

「…はい」

なんだなんだ？？？

「わたしもめっっっっっっちゃ好きなんですけど！」

…「っ」の多さが彼女のガチさを物語る。