◎邪道ヒロインですが。

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『もうむり……しにそ……』





小春ちゃんに体力を持ってかれ、
完全に干からびた私。もう帰りたい……
たぶん私はきっと空回りしてるんだ。
ああいうあざとい子は天然物で
所詮今まで私は作ってただけだし。





「開始早々あの子にやられてんじゃーん」





そんなことを言いながらフラ〜っと
私の隣に座ったのは……え、っと那須？
私とは関わりたくないんじゃ……
ていうか隣にいたはずの蒼弥はどこ？！





『え、なんで……』
「なんでって、ゼミ一緒だよ」
『いや、そうじゃなくって』





私の質問にケロッとしている那須。
聞きたいのは私に話しかけてきた理由と
蒼弥が隣から消えた理由だからな？！
てかなんだこいつ、やけに距離近いし。




『ちょ、お酒の匂いしかしないんだけど。てか近い！』
「え、いいじゃん別に」





まだ序盤なのにこいつ酔ってんのか！
酔うと自分が言ってたこと忘れるんか！





「そのままここいてもいい？」
『別にいいけど……』





こんな甘えた顔で隣にいていいかねだられて
なんかOKしちゃったけど……いいの？？





「っしゃ、ありがと！」





なんて言いながらキラキラした笑顔で
こちらを見てきた。なんか調子狂うなあ。
酔ってたら私とは関われるのね……。
なんかめちゃくちゃ複雑だわ。





『じゃあ長居しないでね』
「なにそれ、ひど！」





しかも酔うとテンション高くなるからか
結構かわいい……じゃなくて！
今のうちに聞きたいこと聞けたりするかな。





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