◎邪道ヒロインですが。

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『はいはい、ありがとありがと』
「Aちゃん酷い！雑！」
「浮所ってマジでそれが素？」





私にきゃんきゃん怒っている浮所に
そんなことを聞く蒼弥。
きっとこいつのことだからとぼけるよ。





「ん？なにが？」





と答えつつ、首をコテンと横に倒した。
予想的中！今効果音聞こえたけど平気？！
浮所怖い……やっぱり人たらしすぎる。





『蒼弥ぁ〜この人怖いよ〜』
「なに？！なにが？！」
「お待たせいたしましたー前菜のサラダになりまーす」





話している間にサラダが運ばれてきた。
うるさい浮所は完全放置させていただきます。
あ、女性陣はあんまり気づいていない様子。
……よしここは！少ない女子力の見せ所！





『サラダよそ……』
「ねえ浮所くん、私の分のサラダ取り分けて欲しいな」
「うん！任せて！」
『……』





私が取り分けようとしたら
ヒョイとサラダのお皿を浮所に渡して
そう告げた小春ちゃん。
この子、浮所にもあざとさ全開なの？！
浮所も浮所で、任せて！じゃないわ！
っだぁあぁぁあああ完敗っっっ！！！！！





「ここ、空いてる？」
『あ、どうぞどうぞ！』





そう言って目の前に腰掛けてきたのは
サークルの先輩。名前なんだっけな……。





「Aちゃん彼氏はー？」
『いたら飲み会とかは来ないですよ〜！募集中というか』





彼氏ができたら飲み会行かないよアピール。
蒼弥、隣で笑いを堪えてるのは分かってるぞ。
ていうか話題が合コンみたいだけど
ほんとにゼミ飲みなんですか？これは。





「そうなんだね〜。あ、小春ちゃんは？」
「……彼氏いないって言ったら先輩、本気で口説いてくれますか？」





んんんんんんん？！？！？！
だからここゼミ飲みだよね？！なにこの子。
蒼弥さん、この人ただものじゃないっす。





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