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店内に戻れば潰れている人も数名。
そろそろ解散の時間。
私は凌さんと一緒に帰った。


免許があってもお酒が入っているし、電車ももうない。
さほど遠くもないので2人並んで歩いて帰る。


『あー、疲れたな』



「もうヘロヘロです」


フラフラと揺れる2人の影。
私が彼の隣に並ぶには少しおこがましいように感じる。



『そういえばさ。修司とはどうすんの?』


「どうするってのは?」



『いや、そのさ...寄り戻したりとかさ。』



「そんなの有り得ません。」



『ふーん。そっか。』



「凌さんこそ、どうなんですか」


『俺は充分です。』


「...分かりません」



貴方の気持ちが分からない。


凌さんの隣に立てるのは誰なんですか?
私にはその権利はありませんか?



そんなのは言えるはずがなかった。




そもそも、修司に振られて、滅茶苦茶になって夜遊びばかりして汚れた私は彼には近づいてはいけないんじゃないか。



「お疲れ様でした。」



彼の家の前。方向は同じだったが、私の家はもうちょい先。



『送ってく』


「大丈夫です。疲れてるでしょう?」


『いや、こんな時間だし』


「私は慣れてるんで大丈夫です」



『お前そゆとこは意地つえぇのな』



「今日はありがとうございました。いい経験になりました。」



『こちらこそ。気をつけて帰れよ。おやすみ。』



「おやすみなさい。」



1人になってフラフラ家路につく。
今日はとても濃い1日だった。
いい事もあれば、少ししんどい事も。

それにしても、私は凌さんを好きなのかな。
本当に、好きなのかな。


今までそんな事これっぽっちもなかったから、急にそんなの信じられない。


自分が1番わかってるはずの、自分の気持ちなのに。

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作者名:なちゅ | 作成日時:2020年4月9日 14時

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