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初めまして会ったあの時に・中 ページ4

帰り道。
勝蔵に抱っこしてもらった蘭丸は、いつもよりも高くなった視界にテンションを上げ、周りをキョロキョロ見ていた。

「あにうえ!いまサカナがはねましたよ!」
「そうかー、良かったな。」
「とりが!とりがとびました!ばさばさって!
「わ、わかったから少し落ち着け蘭丸、歩きにくい。」
「あ、ごめんなさい…」

蘭丸は兄が歩きやすいように、そしてごめんなさいの意味も込め兄に抱きついた。

ーあ゙ぁぁぁあ、もう!俺の弟可愛すぎか!

「あにうえ!」
「グッ」

いきおいよく顔を上げた蘭丸の頭が勝蔵のアゴを強打した。

「あ、ごめんなさい。大丈夫ですか?」
「あ、あぁ大丈夫だ、おかげで正気に戻った。」
「しょーき?」
「いや、なんでもない。蘭丸こそ、痛くなかったか?」
「えっ?…はい!いたくないです!」

ー石頭…

「あにうえ!みてください!おおきなおしろですね。」
「あれは信長様のお城だよ。」
「のぶながさま?」
「蘭丸はまだ会ったことがないのか。信長様はね…!?」

突然勝蔵が足を止めた。
不思議に思った蘭丸は兄と同じ方向を見ると、一人の男が立っていた。

その男こそ、織田信長。

「勝蔵」
「は、はい!」

突然主君と出会い、名前を呼ばれ、勝蔵の心臓らはねた。

「その子は」
「お、弟の蘭丸と申します。蘭丸、ご挨拶して?…蘭丸?蘭丸!」
「あ、はいっ」

信長を見たまま固まっていた蘭丸は兄の声に気づくと、蘭丸は自ら地面に降りた。

「はじめまして、もりらんまるです。よろしくおねがいいたします。」

丁寧な言葉遣い、丁寧なお辞儀。

「蘭丸」

突然近くで名前を呼ばれ顔を上げると、さきほどまで少し離れていたはずの信長様が目の前まで迫っていた。

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桃子(プロフ) - コメント失礼します。主様の作品が大好きで、特にホワイトデー ver.大矢野が好きすぎて、度々読みに来ています。大好きです!!!応援してます!!^_^♡ (1月12日 14時) (レス) id: 4c9d96d8c4 (このIDを非表示/違反報告)
蜩かぼす(プロフ) - 誤解されるといけないので一応付け加えさせて頂きます。鍋ちゃんTV全作品読ませて頂きました(*´˘`*)戦国鍋の信蘭はアツアツですよね!ちょっとおバカな信長さんと利発な蘭丸の出会いのお話もほんわかして好きです(*^^) (2018年5月21日 15時) (レス) id: 8c255ff31b (このIDを非表示/違反報告)
蜩かぼす(プロフ) - 初めまして。君だけがおらん、僕だけがおらんの2作品とても切なくて泣いてしまいました。また世界史ちゃんの信蘭のお話を是非読みたいのですが、3年も前なのでもう新作は書かれないのでしょうか?できればまた2人のラブラブなお話や切ないお話を読みたいです!! (2018年5月21日 15時) (レス) id: 8c255ff31b (このIDを非表示/違反報告)
RNん(プロフ) - 未確認生物AB型さん» ありがとうございます!戦国鍋も戦国鍋ファンも尊し! (2015年8月17日 11時) (レス) id: 9424724d5e (このIDを非表示/違反報告)
未確認生物AB型(プロフ) - 私も戦国鍋TV好きです!とっても面白いですね! (2015年7月22日 0時) (レス) id: 8e9413098d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:RNN | 作成日時:2015年3月8日 2時

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