鍋ちゃんTV

平成赤穂事件2 ページ13

主税「父さん…いんだ…、見てくれないんだ、僕のこと。」

ポツリポツリと主税が話だした。
主税を急かしてしまわないように、優しく背中をさする。

主税「母さんが死んでから、僕のこと見てくれないんだ。父さん、僕のこと嫌いになったんだ…」

＊

やすす「って、泣いてたんだよ!!!!!なんで目の前に天使がいるのに見ないんだお前わ!!!!!勿体ないだろ!!!!!お前の目はふ･し･あ･な･かｯ!!!!!」

手刀をくららの頭めがけて振り落とす。

くらら「主税が可愛いってことは、俺が一番知ってますぅ!!!!!ｩｸﾞｸﾞｸﾞ」

くららが手刀をうけとめ反論する。

やすす「じゃあなんでｯ」
くらら「それはｯ」

きらら「とりあえず一回落ち着かない？」

＊

きらら「で、大石の言い分は？」

吉良の言葉で一時中断した後、間に吉良を挟んで会話を始めた。

くらら「主税を直視したら…理性が効かなくなる…」

ｻﾞｯ!!

吉良とやすすは、一気にくららから離れた。

くらら「ちょ、お二人さーん。」
きらら「嫌だ、あの子実の息子に理性効かなくなるって…」
やすす「そういう話は裏鍋ちゃんTVでやってほしいわよねぇ。」
くらら「なんか、ヒソヒソ話してますけど丸聞こえですよー。あと、二人が考えてるような意味じゃないですよー。戻ってきてくださーい。」
やすす、きらら「…」
くらら「…」

戻ってこない二人。
くららは自ら距離をつめる。
壁にぴったりとよりそってやすす、きらら、くららが座った。

きらら「ごめん、大石。ちゃんと戻るから、この距離感やめよう。」

結局最初の位置に戻った。

くらら「前に、「本気の恋はダメだけど、浮気の恋はOKです！」って言ったこと、覚えてますか？」
やすす「うん。」
きらら「俺はまだ前の学校の時。」
くらら「は？」
きらら「ごめん、アメ●タネタ。」
くらら「…とにかく、そう言ったんですよ。それって、主税の母親が関係してるんです。」

＊

主税の母親、僕の妻のAは、病弱だったんです。
でも主税が生まれてからはだいぶ落ち着いていて、このまま家族三人幸せに暮らしていけると思ってました。
でも…
僕の仕事が忙しくなって…命の危険を伴うようになってから、また病気がちになりました。
医者から、ストレスが原因だと言われました。
Aはいつも笑顔で俺を送り出してくれて、夜どんなに遅くなっても起きててくれた。
俺は知りませんでした。
笑顔で送り出してくれたのは、俺が無事に帰ってきますようにっていう願掛けでした。

★作者言→←平成赤穂事件1

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