鍋ちゃんTV

ガギグゲゴめんなさい・上 ページ11

信長と蘭丸はライブの打ち合わせの為テレビ局へ来ていた。

「これが今度行うライブの内容です。」
「ありがとうございます。」
蘭丸はスタッフから資料を受け取ると、一つを信長に渡した。
「おらん、ありがとぉー」
「いえ」
嬉しそうに笑う蘭丸は今日もとても可愛い。
「早速なんですが、ライブの打ち合わせに入らせていただきますね。」
スタッフと蘭丸が打ち合わせを始めた。
信長はその横で、受け取った資料をペラペラとめくる。
本来は信長も打ち合わせに参加しないといけのいのだが、彼の自由人ぶりは今に始まったことではない。
信長は流すように資料に目を通す。
しかし、その目がある一点で動きをとめた。
ある一点、出演者一覧に書かれた

“モモイロゴタイロー” の文字。

ついに、か…
いつかこの日が来るとわかっていた。
覚悟もしていた。
だけど、いざそうなるとやっぱり…

信長はゆっくりと隣を見た。
蘭丸が楽しそうに打ち合わせをしている。
実際は打ち合わせが楽しいのではなく、ライブに主君と共に立てることが嬉しいのだろう。

可愛いぃ�・…あっ

自分が悩んでいることも忘れ蘭丸の可愛さにデレる。が、すぐに直面した事態を思い出した。

俺はまた、この笑顔を曇らせてしまうかもしれない…

信長はゆっくりと目を閉じた。








「…ん、信長さん、信長さん。」
「んｯ」
目を開くと蘭丸が穏やかな顔で覗きこんでいた。
「起きましたか？」
「蘭丸…あ、ごめん、おれ」
どうやら目を閉じた後、そのまま眠ってしまったらしい。
部屋にはすでに信長と蘭丸しかいなかった。
「最近お疲れでしたからね。もう少し寝てて欲しかったんですけど…早く帰ってゆっくり体休めましょう。」
眠ってしまったことを怒らず、信長の体調を気遣う蘭丸。
「そうだな…帰ろっか、蘭丸。」
「はい。」
荷物をまとめ部屋を出る。
「あっ」
「ん？どうした、蘭丸。」
部屋を出た後、蘭丸が突然足を止めた。
「申し訳ありません、信長さん。あの、僕聞き漏らしてしまったことがあるので、スタッフさんに確認とってきます。」
「なら一緒に」
「いえ、直ぐに終わりますから信長さんは先に車に」
「やだ、蘭丸と一緒がいい。」
ただをこねる信長。
「では、直ぐに戻って来ますのでここでお待ちください。」
「…わかった。」
信長が蘭丸の申し出を渋々飲むと、蘭丸は急いでスタッフのもとへ向かった。


蘭丸が部屋を出ていくのと入れ替わりに、
一人の人物が信長に近づいていた…

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