先輩とてぐんくん (ページ8)

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グラウンドの隅にAヌナの姿。
彼女の姿を見るだけで、自然と笑みがこぼれる。
俺ってこんなだったっけ？
不思議。
帰りは何を話そうか。
早く一緒にピアノが弾きたい。
そんな事を考えながらAヌナを見ると、胸を押さえて下を向いていた。

LE「Aヌナ！」

部活中だというのに、彼女の元へ駆け寄る。

「テグナ？」
LE「どうしたんですか！？痛い！？しんどい！？」
「え？」
LE「胸押さえて下向いてたから…」
「あぁ、何でもないよ」
LE「そうですか…よかった…」

安心して思わずAヌナの頭を撫でてしまった。

LE「あ、すみません」
「ふふ。心配してくれてありがとう。何ともないから戻って。頑張ってね」

そう言って笑顔を向けてくれた。
ヤバイ…これはヤバイ…

LE「はい、いってきます」
「いってらっしゃい」

グラウンドに戻りながらAヌナの頭を撫でた右手を見た。

LE「フワフワだった…」

この先一生右手は洗わない。
そんな馬鹿な事を考えながら、また小さくガッツポーズをした。