朝日が上がるその前に (ページ5)

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しばらくすると、チトセ王子はトランクを持って現れた。

「さぁ！カレン行くぞ！」

「しっしかし…」

すると、チトセ王子は少し怒ったような顔をした。
そして私の頬をつねった。

「しかしじゃねーよ！俺は行くからな！」

そして目の前の道に進むのだった。

「チトセ王子、反対方向です」

魔法でトランクをしまい、箒にまたがり、雲の上を飛んでいた。
ここは丁度、緑の国あたりだろうか。
植物の生命の匂いがした。

「なぁ、少し休憩しようぜ」

「はい」

私達は雲の下に降りた。

ガサガサガサ！！

「チトセ王子！？」

突然、チトセ王子が木の中に消えた。
それも目に止まらぬ速さで。

「チトセ王子！？」

「いってーー…」

「って」

私はチトセ王子の近くにいる人物に目を丸くした。

「フウカ姫様とカリン姫様！？」

そこには金髪の髪の子とライトグリーンの髪の子がいた。
この女の子も銀の国と緑の国の王女なのだ。

「申し訳ございません。とんだご無礼を…」

慌てて片膝をつき、頭を下げた。

「いやいやいや！やめてよカレンさん！」

「いいえ。私のことはカレンと」

「もういいから！頭を上げて！！」

私はそっと頭を上げた。

その後の展開は誰も予想だにしなかった。