おれが看病してあげる 【孤爪研磨】

ついに ページ29

合宿が行われるのは、
都内から少し離れた体育館。
近くに宿舎もあり、
結構広くて合宿にもってこいの場所である。

あれから私達はみんなと合流し、
体育館へとやって来た。

「おーい、お前ら先に体育館行っとけー。俺とAは烏野の奴らを迎えに行くから準備頼むな」

クロがみんなに声をかけ、
私とクロは烏野高校の人達の所へと向かった。

「………どんな人達なんだろう」

初めて顔を合わせるため、
楽しみでもあるがやはり不安もある。

「とりあえず面白い奴らが多いと俺は思う。あ、A、研磨のお友達のチビちゃんとお前会うの初めてか」

「………チビちゃんって、日向翔陽くんのこと？？」

「知ってんのか？」

「研磨から話は聞いてたから…。あの研磨に友達が出来るなんて、私びっくりしたもん」


研磨は自分から友達が作れたためしがない。
だから私は日向翔陽くんにずっと会いたいと思っていた。

研磨に、その子を一言で表してみてって言ったら、
こう返ってきた。

”翔陽はオレンジ色の髪の毛をしてて、真っ直ぐで、すごく元気。………多分、見たらすぐに分かるよ……。”

(研磨が言うんだから、きっとすぐに分かるかな……)

私は期待を胸に、早足で歩く。

「お、もう着いてるじゃねぇか」

クロの表情が急に変わった。
クロの目はまるで猫のよう。

(……なんかこんなクロ久々に見た気が……)

私達の視線の先には、
バスから降りてくる烏野バレー部の人達。

(………やっと、この時が来た……！)

そして、私は烏野高校バレー部の人達と顔を合わせた。

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