おれが看病してあげる 【孤爪研磨】

看病のおかげ ページ13

あれから私は家に帰って、風邪薬を飲み眠りにつく。
そして起きると、時計は午後7時を指していた。

「…………もう7時か。そろそろ部活終わるころかなー？」

私はそばに置いてある体温計で熱を測る。
音が鳴って確認すると、

「…………36.5℃…。ほんとに下がった……」

風邪薬のおかげでもあるだろうが、
私は保健室での研磨との出来事を思い出す。
思い出すだけで、
顔が赤くなってくるがその前に嬉しくて頬が緩んでしまう。

”研磨も私と同じ気持ちだった”

それだけで、
私はとても幸せ者だと感じた。

「研磨が私によく効く薬っていってキスしてきたけど、効き目あったのかな……？まさか私の風邪うつってたりして」

まさかね、と笑いながら明日の学校の準備をする。

研磨が部活が終わったら来てくれると言っていたが、30分経っても来る気配がない。

(………そろそろ家に着く時間帯だけど…)

何度も時計を見る。
もしかするとバレー部のみんなで寄り道しているのかもしれない。
心配することはないと言い聞かせても、

「…………どうしたんだろ」

心配になってしまう。

すると、私の部屋のドアがあいた。

「研磨？？」

そう言いながらドアの方を見ると、
立っていたのはクロだった。


「あれ？クロどうしたの？？研磨は？？」

「Aが心配で来てやったのにありがとうの一言もないのかー？」

「ごめんごめん。ありがとう、クロ」

「おう。実は、研磨のことなんだけど…」

そう言って、クロは話出した。

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