おれが看病してあげる 【孤爪研磨】

部活のはじまり　研磨side ページ11

体育館へ行くと、もうほとんどのメンバーが集まっていた。

「研磨ー、もうみんな揃ってるぞーー」

そう言いながら歩いてきたのは、
幼馴染でありバレー部主将のクロ。

「………ごめん。保健室行ってた」

「保健室？お前風邪でもひいたか？」

「………違う。Aが体調崩して休んでたから、付き添ってた。後、今日は部活休むって。みんなにうつすといけないからって言ってた」

「あいつどっか悪いのか？！」

クロが驚いて声をだす。
体育館にクロの声が響いた。

「お昼過ぎが1番しんどそうだったけど、今は多分大丈夫だと思うよ。おれがずっと看病してたから………」

クロがおれをじっと見る。

「…………なに？」

「…………研磨が看病ねぇ………」

ニヤニヤしながらおれを見る。
……………なんか気持ち悪い。

「…………なにそんなニヤニヤしてんの」

「いやぁ、研磨がどんな看病したのかなぁと思ってさ〜。で、何したんだよ」

「…………別に、なにも」

クロはなにかと勘がいい。
昔から隠し事とかあんまり通じないタイプだった。クロに話してもいいけど、このニヤニヤしてる顔を見ると話す気がなくなる……。


「おーーい！今日はAが休みだから全員で手分けして仕事するぞーー！」

クロがメンバーに声をかけると、みんなそれぞれ返事をした。

すると、

「えぇ！！！！Aさん今日いないんですか？？！今日も必死にマネージャー業務をする可愛いAさん見れると思ったのに…！！」

そう言いながら走ってきたのは、
1年の灰羽リエーフ。


「………うるさいのが来た………」


「おい、リエーフ……。俺の横で叫ぶな…」

クロは呆れた顔でリエーフを見た。

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