華やぐ刻 (ページ31)

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「眞耶さん絡むと翔さんすんごく妬いてくれるね？」
「…なんか、そうだね」
「ちなみに、俺の相手は翔さんだって眞耶さん知ってるからね？」
「は？」
「は？じゃないよ。じゃないとイメージの加工とか、伝えるの難しいもの！」

…それはそれで…他人巻き込んでのさらなる恥ずかしさがある…

「仕事できりっとされてそうだから、ちょっと柔らかくって、形は丸味をおびたほうかまいいんじゃないかとか、楽しそうに選んでくれたよ？」
ちなみに先月彼氏と結婚して今新婚旅行らしい。

「じゃあ…潤も俺のものっていうもの、あげたい」
ほんとはあげたいというより、着けさせたい。
誰が見ても、潤には相手がいると気づかせたい。

「じゃぁ…今度、二人で指輪選びに行こう？俺はつけられるから。仕事中でもさ。つけときたい。翔さんにもらって、着けたい」

「うん。つけて欲しい」

ほぅっと、体から力が抜ける。

「じゅん…チャージ」
「いくらでも」

お願いはすぐに叶えられて、
心地よいハグに包まれる。

そのあと、二人で休みを合わせて指輪を見に行った。
「これとか似合うんじゃ？」
「大きいクロスだねぇ！かっこいい！
…でも、いつどんな時も着けとくには、ちょっと大きいかも」
「そっかー…あ、馬蹄形は？黒でシックぽくない？」
「意味的にも良いらしいよね。洋服に引っ掻けないように、上手くつけられるかな」
「俺ならいつか引っ掻けるな！…てことは…」
「うん、どれもいいから決めづらいね…」

「これ」
シンプルなリングの表面に、二つの輪が描かれている。
なんか中に文字入ってるのも…隠されたお洒落でよくないか？

潤がじっとそのリングをみて、
「…これ…くれるの？」
「お、合格点？」
「嬉しい…すぐ着ける」
なんかうるうるしながら見てくるから、
よくわかんないけど慌ててサイズだしてもらって。
「プレゼントですか？」
「いや、あ、そうです…」
真横にいるひとへ。

ちょっと意味ありげに店員はみてきたけど、
慣れているのか、なにも言わずにラッピングしようとした。
「あ、いいですいいです、箱だけください！」
潤がその店員を遮って、指輪を受けとる。
さっと自分で自分にはめてしまった。
「なに、そんな気に入ったの？」
「気に入りました。帰りましょう！」
「…お幸せに」
にっこり、店員が微笑む。

俺だけ頭にはてな。
家について、がっつりハグされながらみせられた指輪の内側。
そこには、
INFINITY LOVE
と刻まれていた。
～おしまい