ワーカーホリックなのはどっち？ (ページ3)

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どこへ向かうのか解らない車の中で

どうしてこんな展開になっているのか。

「…今でも好きだよ。

…俺だけの翔くんが欲しいよ」

でも、チャンスは逃せない。
もう、あんなに辛い失恋は無理だ。
理路整然としてることが好きな、
ちょっと天然でもある翔さん。
すっきりしない関係に、
…やりきれなさを感じてたのかな。

「…勿論」

ふっと、とても気を許してくれた、優しい笑みを浮かべて
ひと言くれた。

「翔くん」

「なに」
「いきなりだね」
「…こっちも色々考えてたんだけどさ。
なんか、今日の相葉くんとにのみてたら、もう回りからの反応とか将来とか、そんなの一旦おいとこう！って思ったんだよね」
「…あー」
「自分の気持ちとか、お前の気持ちとか、そこが一番大事なんだし。勘違いさせてるなって思いながらも、一本踏み込めなかった間、…お前と、会話もあんま、出来なかったし」
「…うん」
「…寂しかった」

「ちょっと。車路地で止めて。」
「え？」

限界。

ここがどこだかわからないけど、
芸能界のたしなみとして、シールド貼ってあるから大丈夫かな。

「俺の方が、寂しかったし辛かったよ」

車にブレーキがかかるや否や

真横にいる人を引き寄せて、
自分の気持ちに忠実に、キスをした。

…ああ、
まさか、こんな日がくるなんて。

唇を離すと、
すぐ目の前には大好きでたまらない人。

「…これから、どこ行くの？」

彼もこちらを見てくれるから、
勿体無くて目が離せない。
今まで、長い間こんな風に、目を見ては話せなくなってた。

…大きくて、切れ長の綺麗な目。

また、ふらふらと彼の方へ体が傾く。

「外で、2度は駄目だろ。」
声は甘いのに、言ってることはシビア。

「一度なら酔ってましたで済むけど。

これ以上だと、面白おかしくかかれちゃう。
俺は、お前との関係を大事にしたいから、隠さなくていい状態までは隠すよ」
そんな状態のときなんか、いつくるかわからない。

でも、
翔くんとずっと一緒にいるためには必要なこと。

「とりあえず、つもる話でもしに、ご飯行こっか」
「人なかにいきたくない。…人目気にせずに色々話したいよ…」
ほんとは、もっと触れたいし、
これが夢ではないと、ききたい。わかりたい。

しかし、その日は危うい会話を楽しみながら、
普通にご飯食べて、
帰宅した。
もう、キスもなし。
「明日は仕事でしょ、お互い」
その一言で、微笑まれたらもう引き下がらざるをえなかった。