伍代君とアオハル【3】

10-8 ページ44

…


「だからよ 俺にとっては
伍代と大丸と同じ大事なツレなんだ
勿論Aも大事な双子だ 唯一無二の
白百合に行かなかったらきっと二人で全国目指してたかもしれねぇな…Aが一緒に取り巻き倒して俺がトップ倒してよ…」


頷くA


「けどさ…兄ちゃん…
俺は全国制覇よりも…白百合の皆と一緒に卒業したい…」


俯きながら剛に近づく猛


猛は剛の肩下をグーパンチする


「卒業…できるといいな」


「兄ちゃん…」


泣き出す剛


『良かったね 剛』


剛は頷く


「行くぞ…帰って母ちゃんのうまい飯食うべ…」


Aの腕を掴み立ち去ろうとする猛


「剛…オメェの話もろくに聞かねぇでよ…
ひでぇ事言っちまって…ごめんな…」


泣きながら立ち去る猛と腕を掴まれたまま着いていくしかないA


…


『だからなんで馬鹿兄弟はうちの腕掴むの!
痛いんだってば‼︎』


猛はそのままAの手を繋ぐ


『え…なんで手繋がなきゃいけないの…』


「A…今日の晩飯なんだろうな…グスッ」


Aに聞く猛


『絶対すき焼き』


「イーネッ」


『けどよく剛に謝ったじゃん』


「あぁ…二人共本当に悪かったな…」


「何手繋いでんだよー」


後ろから剛が二人に声を掛ける


『助けて剛 兄ちゃんに囚われた』


「俺も手繋ぐ」


反対側のAの手を握る剛


『なんで兄二人と手繋いで帰らなきゃ行けないの⁉︎
この絵面絶対可笑しい! 気持ち悪いっ‼︎』


「「んな事言うなよ」」


「昔はよくこうやって手繋いでたよな 兄ちゃん」


「おう」


『嫌だぁ』


その様子を大丸と伍代が後ろから笑いながら見ていた


…


難破家に帰宅した三人


『「「ただいまー‼︎」」』


「猛 剛 A
遅えぞ 待たせ過ぎだ 馬鹿野朗 この野朗」


「オメェら揃わねぇと
飯が余って困んだよ! 早く座れ」


父ちゃんと母ちゃんが言う


「「おう」」


『うん』


剛の肩を叩く猛


「猛兄ぃ 兄ちゃん 姉ちゃん 待ってたぞ!」


『お待たせ 吟ちゃん!』


席に座る三人


「皆揃ったな」


頷く難破家


「よう〜〜〜〜」


「長えよ!」


母ちゃんがツッコむ


「っし!」


「いただきます!」


「あ、姉ちゃんフライング‼︎」


『だって肉が呼んでたんだもん…』


「Aちゃんといただきますしろ
馬鹿野朗 この野朗‼︎」


「食いたいだけ食え!」


松も嬉しそうに吠えていた

10-9→←10-7

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す