伍代君とアオハル【3】

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…


朝


「おお、来た 来た!」


2階からシャバイ剛が降りてくる


「うわあ!」


おばけを見たかのような反応の家族


「おいおい、何か…スゲェな…」


「オ、オメェ…ホントに剛かよ」


父ちゃんと母ちゃんが呟く


「何言ってるの母ちゃん
兄ちゃんに決まってんだろ
アタシはもう見慣れたもんね〜
姉ちゃんなんか欠伸してるし」


吟子が言う


『ふぁ…まだ〜?
早く直樹の顔を拝みたい…』


「Aは朝から伍代しか頭にねーのか⁉︎」


父ちゃんがツッコむ


「おい、剛…シャベえな」


猛が剛に近づく


「おう」


剛に肩パンする猛


「いいツラしてんべ…」


肩パンし返す剛


「兄ちゃん…仕事探せよ…」


『間違いない』


固まる猛


「おし、行ってくるわ」


『行ってきまーす』


「おう行け」


手でトンネルを作る皆


それを潜る双子


剛の肩を掴む父ちゃん


「え? 何してんだよ」


「挨拶に行かなきゃ」


「おい! ふざけんな」


皆を追い返す剛


『剛 置いてくよ〜』


「あぁ、待って!」


…


『久々だから不安なんでしょ』


「まぁな…」


『きっと大丈夫だよ』


「A…ありがとな」


『いきなり何』


「Aもさ…もしなんかあったら言えよ?」


『大丈夫 うちには直樹が居るから』


「双子! 俺ら双子だから‼︎
まず家族頼れって!」


『はぁーい』


…


剛が白百合に入ると


「難破ー!」


島崎の声が聞こえ生徒達が集まってくる


市松の門の前で剛を見守る大丸と伍代


「おい、伍代!
あれが青春って奴だよなおい!
たまんねぇな〜‼︎」


伍代に抱きつく大丸


「うぜえんだよ」


「もっかいハグさせてよ〜」


「黙って見てろ」


…


美術部の元部長と副部長


家族と島田のおばちゃんも結局来たらしい


「姉ちゃん何処行った⁉︎」


大丸がキョロキョロする


すると赤い特服を着てうちわを持ったAが白百合の中に入って行く


拍手する白百合生徒達


「アネキー!」


「A先生!」


「イーネッ!」


「Aも特服似合うじゃねーか!」


「流石Aだぜ‼︎」


「姉ちゃん何してんだよ⁉︎」


吟子が叫ぶ


剛が唖然とAを見る


「なんかうちわの文字が難破君関連じゃ無いんだけど⁉︎」


『あ…間違えた』


【生涯直樹推し‼︎】


「おい!」


剛が指差す


『これならいいでしょ⁉︎』


うちわを裏返すA


【剛は二推し‼︎】


「まぁいいか…」

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