伍代君とアオハル【3】

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…


「謙遜すんなって
うっし 伍代 お前のも見せろ」


大丸は伍代の絵も見ようとする


「あ〜 やめた やめた
絵とかかったりぃわ
ゲームでもすっかな」


テーブルにスケッチブックを伏せ


立ち上がる伍代


「ん? どれどれ?」


その隙にスケッチブックを見る大丸


「あっ テメェ…」


「ひっで〜
なんだよこれオイ 見ろよ難破 ほら、松」


伍代が描いた絵を剛と松に見せる大丸


「ワン…
(キモいな おじき ひでぇよ
なんだよその顔)」


伍代の絵に思わず笑う剛


「あっ やっと笑ったな
難破 俺らには気ぃ使わなくていいからよ
できる事あったらなんでも言えよ」


「大丸…」


「まだ頭ん中ゴチャゴチャしてんだろうけどよ そろそろ顔上げねぇと夏休みなんかあっという間に終わっちまうぞ」


伍代も剛に言う


「オメェいい事言うな
こんな…こんな…こんな絵描いてる奴が言うこととは思えねぇよな」


「オメェ しつけえんだよ」


「お前ヤバいぞこれ」


「オメェもヤバいだろ」


「俺は大丈夫…あーあ
姉ちゃんは寝てるしよ」


いつの間にか伍代の横でスケッチブックを抱えながら寝ているA


クッションを枕代わりにしている


「さてさて、姉ちゃんの出来栄えは…
そもそもちゃんと描いたのか?」


Aのスケッチブックを奪おうと大丸が立ち上がる


「おい馬鹿、邪魔すんな!」


伍代が止めようとするが


スケッチブックを引っ張る大丸


「うっま‼︎ なんだコレ‼︎」


大丸はAの絵を見る


そこには伍代の横顔が描かれていた


「白黒写真かと思ったぜ…見ろよコレ」


スケッチブックを皆に見せる大丸


『ん…? 大丸うっさい…』


Aが目を覚ます


「姉ちゃんスゲーなオイ」


「クゥーン…
(アネキは俺の事描いてくれなかったのか)」


「…うま 額縁に飾るか
お袋が喜びそうだな」


「Aは松描いてやれよ」


伍代と剛が呟いた


『…おやすみ』


気にせず再び寝るA


「相変わらず自由だなー…」


大丸の言葉に皆笑っていた


…


マ○オカートをしながら話す大丸と伍代


どうやら剛は何処かに行ったらしい


「バイト?」


「あぁ、朝夕は新聞配達
夜はカラオケ よくやるぜ」


「なんで急に?」


「さあな しゃ〜っ!」


雄叫びを上げる伍代


「(そろそろおうちに帰りてぇな…)」


心の中で呟く松


「ノー!」


悔しがる大丸


「(てかうるせえな)」


「姉ちゃん何処行った?」


伍代に聞く大丸

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