【暗殺教室】隣の席の赤羽くん【赤羽業】 (ページ29)

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赤羽くんと、ページ29

カルマくんは、近寄りがたい存在だった。

不良だし、なのに成績良いし、髪の毛赤いし、顔も整ってるし。

初めてカルマくんがE組に落ちた、と聞いた時は心臓が飛び出るかと思った。

さらに、私の隣の席になったときは、耳の穴から脳みそが溢れ出るかと思った。

でも、隣の席で接しているうちに、分かったことがある。

カルマくんは、優しい人で、ちょっと不器用なだけの、普通の男子中学生ということ。

雨の中で猫を拾ったのを見たわけじゃないし、誰かを守ったのを見たわけでもない。

でも、分かるんだよ、ずっと見てたから。カルマくんが優しいってこと。

だんだん足の痛みを感じなくなってきて、代わりに胸が痛くなってきた。

「……Aちゃん、固まってるけど」

「そりゃ……固まるよ、そんなこと言われたら」

カルマくんがすごく好きで、すごくきらきらしてるから、胸がきゅん、と疼く。

にこにこ笑うカルマくん。その笑い、照れ隠しとして解釈してもいいのかな。

この手を外さない理由が、私を離したくないからとして解釈してもいいのかな。

気になる子、という言葉が、恋愛的な意味でとして解釈してもいいのかな。

「あ……あのね、カルマくん。都合よく解釈する女の子って、どう思う？」

「……ん～その子によるけど、気になる子にそうやって解釈されるなら、最高」

「……じゃあ、都合よく解釈しちゃうからね」

私より高い位置にある彼の頭を引っ張って、おでことおでこをくっ付ける。

すごいことやってるよ私。カルマくんはニヤニヤしてるけど、私はドキドキしている。

「今から言うこと、期待しててね」

「うん、もちろん」

至近距離にあるカルマくんの顔が、すっごく綺麗だから、思わず見惚れた。

好きな人に気持ちを伝えるときって、涙が出そうになるくらい緊張するんだ。

隣の席になれて良かった。こんなに感謝する席替えがあるだろうか。

落ち着かない恋心に、頑張ってくるね、と伝えたら、あとは口を開く勇気だけ。

そっと、囁くように、カルマくんだけに聞こえる声で。

「好きだよ」

5秒後に聞こえてきたのは、カルマくんの嬉しそうな声。

俺も好き、その言葉で、涙と恋心が溢れだした。

私は、隣の席の赤羽くんと、