【暗殺教室】隣の席の赤羽くん【赤羽業】 (ページ30)

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赤羽くんの隣ページ30

「おはよ、Aちゃん」

「おはよう、カルマくん」

駅のホームで待っててくれたカルマくんの手を、ぎこちなく握る。

昨日のことのせいで寝られなかった私は、朝、クマが出来てないか念入りにチェックをした。

「なーんか、不思議な感じ」

「うん、私も。登校中から隣にカルマくんがいるんだもん」

人が多いこの時間帯だから、離れないようにぎゅっと手を握る。

途中で私が転びそうになったりと、駅の中はハプニングでいっぱいだ。

長い長い坂を登って、見えてくるのはいつもの旧校舎。

「あ、もうみんな来てる」

「今日はカルマくんの時間に合わせたんだもん。明日は私に合わせてね」

「えー、じゃあモーニングコールしてよ」

「えー、彼氏の頼みでも聞けないかなあ」

でも、きっとしてあげちゃうんだろうなあ。お願いされちゃったから。

ギシギシとうるさい廊下を、ドアの前まで手を離さずに歩く。

「カルマくん、手」

「見せつけようよ。いつかバレるし」

頑なに離そうとしないから、私も諦め半分で、ドアを開けた。

みんながこっちに注目してきて、恥ずかしい。殺せんせーみたいな顔になってるよ。

赤羽くんの席の隣に座って、HRが始まるのを待つ。せんせーには気づかれてるだろうなあ。

「おはようございます、あ、射撃は待ってください。今日は席替えをします！」

スキャンダルのためです、と顔をニヤけさせて言うせんせーに、殺意が湧いてくる。

カルマくんは笑いながら、大丈夫、と言うけれど、やっぱり席替えは寂しい。

「くじを引きに来てください！」

そう言われて引いたくじに書いてある席は、一番後ろの……嘘でしょ？

隣の席はカルマくんで、前の席は奥田さん。

「せんせー、これ変わってねーじゃん！」

「ヌルフフフ、運命と言ったところですねえ」

「どーせ、席替えで寂しそうにしている私達を見たかっただけでしょー」

「にゅやっ！違います、運命です！別にそういう工夫をしているわけではありません！」

騒ぐみんなから顔を背けるせんせーに、私は呆れて声も出ない状態だ。

カルマくんは、ケラケラ笑っている。

「ほら、大丈夫だって言ったでしょ？」

「……本当に、大丈夫だったね」

「運命だよ」

「あは、そうだね」

笑う彼に、私も笑い返した。

「よろしくね」

「こちらこそ、よろしくお願いします」

隣の席の赤羽くん