ベランダとタバコ（紫） (ページ34)

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ピンポーン

隣の部屋のインターホンを押すのも不思議だなと思いながら待っていると、扉が開いて現れたのは強面の人

『あ…』

「あっ、どうも…」

この人が岩本照…確かに初見は誰もが怖がりそうな見た目

岩本さんに入って、と中に誘導される。

「ふっかー？来たよ、お隣さん」

「はーいちょい待ってー、今行く」

バタバタとリビングから現れたふっか

「おーAちゃん、久しぶり」

『毎日ベランダで会ってるけど、笑』

「いや、こーやって面と向かって会うの久々じゃん？」

どーぞどーぞ、って背中を押されながらリビングに向かってソファに座らせられる。

『あ、これ』

「えぇ？なにこれ、持ってきてくれたの？」

『毎日帰って来て作るの面倒だから休みの日におかず作り置きしてるの。

お家お邪魔するのに手ブラはどうかと思って…こんな物しかないけど』

と作り置きしていたおかずとお酒をふっかに渡した

「え！美味そう！」と目を輝かせる岩本さん

「な、マジ美味そう。

Aちゃん料理出来んだ？最高じゃん」

『いやいや簡単なものしか作れないよ』

「いやいや充分よ～これ、あっためていい？」

『あーうん、ありがとう』

ふっかがキッチンに行って岩本さんと二人きり

「ふっかから話は聞いてるよ、ちょこちょこね」

『え、そうなんですか？なんか変なこと言われてないかな…』

苦笑いしてたらふっかが戻ってきて

「照！お前変なこと言ってねーだろうな」

「んーん、言ってないよ？」ケロッとした顔で答える岩本さん

怖いのは見た目だけで中身は優しそうで安心した

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