ベランダとタバコ（紫） (ページ33)

今日:5 hit、昨日:3 hit、合計:196,761 hit

34 ページ33

・

あれから5日後

いつも通り仕事が終わって帰宅するとバッグの中からタバコを取り出してベランダに出た

ガラっと窓を開けると、静かなはずのベランダで声がする

「いやあ、今日の収録の康二輝いてたな～

俺もあんときもう少し言えばよかったわ」

「でもふっかも爪痕残してたと思うけど？」

「ええ、そうかね？んならいいけどさあ」

今日はどうやら友達がいるらしい

少し寂しくなったけど、私だってタバコは吸いたいし

お邪魔しないように壁から離れたところでタバコに火をつけた

ふーっと煙を吐き出すと一日の疲れが消えていくような気がする

1週間頑張ったなあ、慣れない東京という地でここまでなんとかやれてるのもほぼ毎日話すふっかのお陰かなと思う。

そんなことを考えていたら

「お疲れさま、Aちゃん」

と声がして思わずビックリする

『あ、お疲れふっか』

「気付いてんだけど俺、なあんでいつもみたいに話しかけてくれないのよ」

『や、だってお友達居るから悪いかなあって』

そう言うと

「え、何？え？あ！！例のお隣さん！！？」

と知らない人のワクワクした声が聞こえる

何嬉しそうにしてんのこの人、

てか、例のって何！、？

「ちょ照声でけえわ！シーっ」

「あぁ、ごめんごめん、テンション上がっちゃった」

「Aちゃーん？いきなりごめんね？

こいつこの前言ってた岩本照ー！」

『…あー！この前の』

「え、何？俺話題になってたの？」

「んーまあまあいいから。褒めてただけだーって

ねえAちゃん、この後何も無い？

今日金曜だから明日お仕事休みっしょ？」

『何も無いけど…ご飯食べようかなって思ってた』

「なら丁度いいじゃん、俺ん家来なよ」

『え？だってそっち岩本さんいるじゃん』

「この前会わせてあげたいって言ってたっしょ？

だからお願い、俺らも今から飯食うとこだし」

『んー、なら行く』

「えー！！会わせてあげたいって何！」

と嬉しそうな岩本さん

「んじゃ、いつでも来ていいからねー？

準備したらおいで、鍵開けてっから」

『や、鍵開けとくのは危ないって』

「だーいじょーぶって

んなら、ピンポンして？開け行くから」

『了解、10分くらいで行くね』

・