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白衣を着て歩いていれば、意外と気付かれないもんで
俺と兄さんは出口を探して歩き続けていた
ni「迷路みたいだな……ここ」
『余程デカいんだね……』
建設費だけでも馬鹿にならなそうだな
なんて呑気なことを考えながら、辺りを見渡していく
……もう10分は歩いたぞ……
それなのに、階段もエレベーターも無い
…ただひたすら白い廊下が続いている
『窓が無い…』
ni「地下かもな」
時折すれ違う研究員達に堂々と聞くわけにもいかず
…というより、それどころではないのだが
毎回バレやしないかとヒヤヒヤしている
ni「…………なんか騒がしくないか？」
『？』
そう？と兄さんに返事をしようとしたとき
廊下の電気が全て消され、辺りが真っ暗になった
『うわ！？』
突然のことで頭が追いつかず、反射的に目をつむる
ゆっくりと開けてみるが、何も見えなかった
ni「A、大丈夫か？」
『…あぁ…平気………』
お互いはぐれないように
とりあえず俺は兄さんの服の袖(と思われる部分)を掴んだ
ni「停電………？」
『……わかんない』
けど
『今がチャンスだ、行こう』
ni「えっ！？」
普段ならスマホの明かりを使うだろうが、あの人に取り上げられたままだし
何より、この暗闇に慣れてきた
……昔、孤児院裏の倉庫に閉じ込められたことを思い出す
もちろんあの人のオシオキだ
ni「……………………」
兄さんが何も言わず、俺の手を握った
『…ありがとう』
震えていたのだろうか
……手の温もりが、とても心地良い
ni「壁をつたっていこう
……研究員達も、今なら俺達のことが見えないだろうし」
『了解』
握られた手とは反対の手で、俺は壁に触れる
ひんやりと冷たい壁
……あの時と一緒だ………
怖い
怖い
『……………………』
ni「…大丈夫、俺がついてる」
『…うん』
俺はなんて弱いんだ………
結局こうして、兄さんに守ってもらっている
俺達は再び歩みを進めた
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限界オタクネキ - すごく面白いお話でした……お金払いたいです……!!ㅠ ̫ㅠ♡ (11月22日 22時) (
レス) @page23 id: 27c91382d8 (このIDを非表示/違反報告)
由依 - 神作品だぁぁぁ😍 (2022年6月26日 2時) (レス) @page23 id: 4f57f42090 (このIDを非表示/違反報告)
黒兎 - とりあえず、完結ありがとうございます。この作品他の人も言ってるけど神すぎて泣きそう、、 (2022年3月18日 17時) (レス) @page23 id: c6ec7f1a3c (このIDを非表示/違反報告)
九尾の狐@中二病陰キャ(プロフ) - 初コメ失礼します。全て読ませていただきました。とても面白くて感動しました。素晴らしい作品をありがとうございます。 (2021年10月7日 22時) (レス) @page23 id: 1dca37f2f0 (このIDを非表示/違反報告)
シアン - めちゃくちゃいい作品でした！ (2021年7月31日 9時) (レス) id: d89fb8bcc6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おつきみ
| 作成日時：2019年5月6日 15時
