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エーミールside
コーヒーを片手に、仕入れたばかりの本を読む
それが自分の日課
自分がここに来たときには、既にAさんがいて
最初は、きっと馬が合わないだろうと思っていた
だって、あんなに眩しい笑顔を向ける人と
話が合うとは思わなかったから
こっちを見てくれるなんて、思わなかったから
『エーミール』
em「はい」
『……いや、ちょっと長いね』
em「？？」
突然図書館に来たかと思えば名前を呼ばれ
返事をすれば何かを考え始めてしまった
本を置き、Aさんの方を見れば
じっとこちらを見ていることに気付く
em「な、何でしょう……？」
何かしてしまったのかもしれない
謝罪の準備をしていると、すぐにニコリと笑って
『エミさんって呼んでも良い？』
なんて、嬉しい言葉をくれた
距離を縮めてくれたのは、Aさんからで
俺は、何もしていない
もちろんです、と返せば、Aさんはそのまま目の前に座った
『エミさんって凄い博識って聞いた！俺あんまり頭良くないけど、一緒に話しても良い？
あぁあと、エミさんの好きな本も読んでみたい！』
em「……！はい！」
『ははwやった』
パタンと本を閉じる
表紙には「少年の日の思い出」と書いてある
Aさんに最初にオススメした本だ
日本出身だと言うから、日本語の本が良いと思ってこれにした
……登場人物に自分と同じ名前があって印象に残っていたから、というのもあるけれど
彼が死んだ日
もう終戦間際ということもあって、図書館に戻って散らかった本の整理をしていた
そんな時に、グルッペンさんからの声
驚いて、持っていた本をその場に落としてしまって
急いで拾い上げた
それも、この本で
嫌な予感がして……走った
em「まだ、読んで欲しい本も…話したいことも
山ほどあったんですよ」
いくら同じ動きをして、貴方にそっくりでも
私は……本物の貴方と
コーヒーを片手に
笑っていたかった
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りと - osさんとぺﾈ申の会話からパズルがハマってその時点で泣き始めました()でもまさか四体目とは…そこでキリを付ける決断はきっと辛かったんだろうなあ…。久しぶりにここまで泣きました、素敵な作品を有難う御座います！言いたいことありすぎるので一言。最っ高でした！！ (3月6日 20時) (
レス) @page46 id: 7e83a7f497 (このIDを非表示/違反報告)
もっちり - 最初から私達が見てたのは三年前に死んだ主人公の4台目のクローンだったって言うのも凄いですし、ああこうなってたのかって物凄く感動しました。 (10月22日 4時) (レス) @page46 id: f2027ed8e3 (このIDを非表示/違反報告)
ロア - 最高、、． (2023年4月24日 19時) (レス) @page46 id: 4dffd0e6b1 (このIDを非表示/違反報告)
ピッピ168号 - 泣くの我慢した。でも我慢できんかった。…泣いた。切ないけど、とても、綺麗で、美しい物語でした。伏線等の表現の仕方も上手で綺麗で読んでいて面白かったです。この小説に出会えてよかった！ (2023年2月18日 22時) (レス) @page41 id: 220c7b8121 (このIDを非表示/違反報告)
氷雨 - こんなに美しい物語初めてです…ほんっとに面白かったです , 出逢えて良かった , ありがとうございました (2022年10月21日 23時) (レス) @page46 id: 2bdf2c8d34 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おつきみ
| 作成日時：2019年12月27日 0時
