向日葵が咲く頃に Part２ (ページ16)

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普通よりは少し貧乏、それでもお父さんとお母さんと仲良く平凡な暮らしを送ってた。

親との仲は良かったし、友達もそれなりにはいた……と思いたい。

友達って呼べる程に仲が良かったかは今となっては分かんねぇけど。

平凡な暮らしが変わったのは、確か小１の夏ぐらいかな？

いつも通りに学校に行って家に帰ったら、家の周りにいかにも怖いですっていう人が居て。

おかしいとは思いつつも、くぐり抜けて家の中に入ったんだよ。

いや俺の家だし。何してんの？って思いながら玄関を抜けたら何にもない空間が出来てたんだよね。

マジで本当に何にもねぇんだよ。

家具も家電も俺のものも全部。

何にも無くなったからか、家の前の男の人が皆して笑いながら帰って行って。

今から考えれば、あれはヤミ金業者だったんだけど。

当時の俺には分かるわけもなくて、親に泣き叫んだんだよ。

「どうなってんだ？これからどうすんの？」って。

けど「ごめんね」しか言ってくれねぇし、俺もどうすればいいか分かんないし。

だって俺、小１だぜ？

分かるわけなくね？

ひとまず他の部屋がどうなってるのか走って見てまわったんだけど、やっぱり何にもなくて。

その時に初めて「お父さんとお母さんなんか知らない！」ってムカついて、泣き疲れてたのもあって寝たんだよ。