愛されたい症候群 短編集

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緑side



紫「ほら、康二。立ったよ？」

橙「んふふ。たのしーねぇー。」

紫「疲れたでしょ？ちょっとお昼寝しよっか。」

橙「いや！こーじ、ねむくないもん。」

紫「そっかそっか。ごめんね。」



これは何を見せられてるんだ？


いや、分かるよ。


ふっかに抱っこされてる康二が居るってことは。


ただいつもより精神年齢が下がってるように見える。



父「康二！何してんだよ。早く降りろ！」

母「そうよ。そんな子供みたいに。恥ずかしい。」



隣から声がして思い出した。


そういえば康二の親も居たんだった。


横に親がいた事なんて忘れてたわ。



橙「んぅ？……ふかしゃー！」



親の声が聞こえると、ふっかにしがみつく力を強くして顔を隠してしまった。



紫「はーい。大丈夫だよー。大丈夫だからねー。」



ふっかが身体を揺らして、背中をトントンしてる。


今、康二は何歳なんだろ？


翔太と目が合って、考えてる事は同じだって分かった。



緑「ふっか。康二どんな感じ？」

紫「大丈夫……とは言えないけど、大丈夫。いつもみたいにすれば戻れるって信じてるから。」

青「なぁ、今何歳くらいになってんの？」

紫「どうだろ？２歳？３歳くらいじゃねぇかな。」



これまでのパニック時が５歳か６歳くらい。


そりゃ幼く見えるのも当たり前か。



白「康二くん。」

橙「……だれ？……ふかしゃ？」

紫「ふっかさんのお友達だよ。優しいよ。」



どうやら俺らの事も一時的に記憶から無くしたみたい。


それだけ康二にとって過去の事は、思い出したくないんだなって改めて思い知らされた。

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