-C loves you- (ページ17)

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深呼吸をひとつしてその作って貰った物を首にかける

大丈夫...上手くいく。

上手くいってきっと数秒後には、隣にセドリックがいるはず

壁にかけている写真の方に顔を向ける。写真の向こうでは、相も変わらず学生時代の私たちが楽しそうに笑っている

そうだ。この写真も...持っていこうかな。

万が一何かあった時のために。ダグには、申し訳ないけど

飾っていた写真を壁から外してふたつに折り畳んでポケットに入れた

よし、始めるか。どう転んでも悔いはなし…大丈夫。上手くいくと心の中で唱えて心を落ち着かせる。テディに教えてもらったやり方を思い出す

ここを右に回すんだっけ。真ん中のとこを指で軽く弾いて回そうとした時、物音とダグの声がして顔をあげる

ダグラス｢アリシアっ。やめろ！｣

『えっ...ダグっ!?』

時すでに遅く私の指の勢いは、止まらずダグに押し倒されながら真ん中のとこを弾いて起き上がってみると何処かへと飛んでいた。幸い頭は、ダグがその大きな手で守ってくれて何とかぶつけずに済んだ

『痛たた』

ダグラス｢おい、大丈夫か？｣

『ダグが守ってくれたおかげでなんとか』

ダグラス｢そうか...それよりお前何考えてだよ｣

ダグは、安堵した後すぐに鬼の形相で私の両肩を掴んできた。こんなにも怒ってるダグを見るのは初めてで体が竦(すく)む

ダグラス｢なぁ...答えろよ。答えてくれよ｣

『ダグ、巻き込んじゃってごめん。ほんとにごめん』

ダグラス｢ちげぇーって。俺は、謝って欲しくって怒ってるんじゃねーよ

なんで俺に相談無しにこんな馬鹿なことしてんだって聞いてるんだよ。こんなの馬鹿にも程があるだろ｣

その言葉に何となく腹が立って

『馬鹿って何よ。そこまで言わなくていいじゃない

確かにあの日、どうしようもなかった状況だったことは、頭では、理解できる。でも、どうしても心が追いつかないの。どうしても整理がつかないの

あの日、あの嫌な予感した時にセドリックの事をちゃんと引き止めていれば...引き止めていれば...今も生きているかもしれないって考えが頭に過(よ)ぎるの

だからお願い。私に踏ん切りつけさせて』

石になれ(ペトリフィカス･トタルス)と杖を振って唱えるとダグの動きが止まり床に倒れた

『ほんとにごめんダグ。これがどう転んだとしても終わったらちゃんと前に進むから』

そう言って建物を後にした