47.渡さない ページ47
終業式も終わり、
無事に通知表も受け取って
放課後になった。
「Aちゃんお迎え？
下まで荷物運ぶの手伝うよ。」
「夏ちゃんありがとう…、お願いします。」
ずっと心配してくれていた夏ちゃんに
鞄を持ってもらう。
「あ、A…と、小林。
荷物俺が持とうか？」
後ろから玲王が
心配そうに尋ねてきた。
「ん〜ん、
いつも玲王くんにAちゃん取られちゃうんだもん。
偶には私にちょーだい。」
「…は。」
私にぎゅっと抱きついて、
べーっと玲王に挑発する夏ちゃん。
「…お前には負けねえし。」
「望むところ、絶対渡すか。」
夏ちゃん、キャラが…。
ふいっと去ってしまったその背中に、
もう一度声を掛ける。
「…れ、玲王…！」
私の声に気がついたのか、
くるっとこちらを振り返ってくれる。
「今日はありがとう…！
一学期終わっちゃったけど、
二学期もまた…よろしくね。
…部活、頑張って！」
少し距離があるから、
中々の大声で言ってしまった。
幸い、教室はがやがやしているので
そこまでは目立ってない。
玲王がこちらに歩み寄ってくる。
私の前に立ち止まると、
私の頭に優しく手を乗せ、
顔を近づけてきた。
「…あんま可愛いことすんな。」
「…っ、…！！？」
唇のすぐ横に、柔らかいものがそっと触れた。
「…れ…ぉ…。」
「…っ、
次はここだから。」
つん、と唇に触れられる。
…あっっつ…。
「また二学期なっ！」
いつもの笑みを浮かべ、
手を振りながら去っていく彼。
耳が真っ赤だったのは、
触れないほうが良いのかな。
「Aちゃんの浮気者〜！」
「浮気！？」
「てか玲王くんと付き合ってたの！？
めちゃくちゃ邪魔しちゃってたんだけど！？」
「つ、付き合ってません…。」
ゆっくり廊下を歩きながらそんなことを言われる。
ここまできたら説得力も何も無い気がする…
「…付き合ってないの！？」
…玲王の馬鹿〜！！
人前であんな事するから…！！
「Aちゃん、モテ期来た？」
「来てないよ。」
「いや、玲王くんは絶対に気があるって。」
そ、それは…うん。
「あと、凪くんとか。」
え、凪くん…？
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照山紅葉(プロフ) - まむさん» コメントありがとうございます！めっちゃ嬉しいです！今後とも宜しくお願いします〜！ (1月18日 7時) (
レス) id: 4eedfa653b (このIDを非表示/違反報告)
まむ - 玲王くん、それはな、嫉妬って言うんや。ほんっとうにこの話大好き愛してます (1月17日 22時) (レス) @page15 id: 92ead78b3b (このIDを非表示/違反報告)
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