39.傷 ページ39
スマホを投げて、
ポスンとベッドに横になる。
聞かなければよかった。
なんでこんなにダメージ喰らってんのよ私。
そりゃあ、
あれだけできた男なら
元カノくらいいるのは当然じゃんか。
好きな人いてもおかしくないじゃんか。
馬鹿だな〜私。
男一人にこんなに振り回されて。
馬鹿げた恋なんかして、
叶わない恋なんかして。
「A〜、電話終わった？」
外から千切の声が聞こえた。
駄目だ、今の顔を見られたら、
目元に滲んだ涙を
ごしごしと強めに拭き取る。
「終わったよ〜。」
何事もなかったように返す。
扉が空いて、
お盆に２つのコップとお菓子を乗せて入ってきた千切。
「おばさんがさっき帰ってきて、
お菓子買ってきてくれたから貰ってきた。」
あれ、お母さん帰ってきたんだ。
テーブルの上にお盆を乗せて、
彼は私の隣に腰を下ろす。
後ろから手を回され、
彼の指先が私の目元に触れた。
「…泣いた？」
「…。」
誤魔化してもコイツにはバレる。
そんなこと分かりきっていたから、
何も返さなかった。
「何か言われたのか？」
「ち、違う。
私が…勝手に…。」
何故か涙がこみ上げてくる。
そんな私を見ては、
優しく包みこんでくれる千切。
「言えるとこまで言ってみろ。」
こんな千切に、私は弱い。
「Aさ、」
「うん？」
一通り話し終えたあと、
久しぶりに千切が口を開く。
「そいつの何がそんなに良いんだよ。」
「…全部。」
自分でも何に惹かれたのか分からない。
だけど、
私は所詮女の子だった。
玲王みたいに格好良くて、
優しくて頑張り屋さんな男の子に、
惚れないわけがなかったんだ。
「みんなみたいに、
ただ普通に、
格好良い彼に恋しただけ…。」
でも、よく考えたら当たり前のこと。
美人でもなければ、
自分に自身が持てるような魅力なんて１つもなくて。
そんなの、
玲王の理想とはかけ離れてるよね。
「自分の魅力に気付いてないだけだろ
Aの場合。」
「…そんな…の…。」
あるわけないから…。
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照山紅葉(プロフ) - まむさん» コメントありがとうございます！めっちゃ嬉しいです！今後とも宜しくお願いします〜！ (1月18日 7時) (
レス) id: 4eedfa653b (このIDを非表示/違反報告)
まむ - 玲王くん、それはな、嫉妬って言うんや。ほんっとうにこの話大好き愛してます (1月17日 22時) (レス) @page15 id: 92ead78b3b (このIDを非表示/違反報告)
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