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32.優しい人 ページ32

「玲王、大丈夫だってば。


私こういうの慣れてるし。」





「いや、慣れたら駄目だろ。」



「で、でも見られてるから…!」



「知らねぇ。」









この馬鹿玲王…。


玲王がなんとも思わなくても私は色々考えるんだから!














「先生居ないのか。


確か職員会議とか言ってたな。」





そんなことを呑気に言いながら、

私を抱えたまま暗い保健室へ入り込む玲王。











「よいしょっ、



一旦氷で冷やすか。」









私をベッドに下ろして、


保健室内をうろうろする。
















今昼休みなのに。


本当は、みんなとお昼食べたいはずなのに。



凪くんと話したいはずなのに…







なんでここまでしてくれるんだろう。












つくづく良い人だなって思う。





ちょっと怪我した友達のためだけにここまでできるとか、


寧ろどういうつもりなんだろう。






本当に善意だけなら


相当できた人間だよな。この言い方はめっちゃ上からだけど。






 




「はい、



冷たいけど足浸けろ。」









氷と水が沢山入ったそのバケツに、



靴下を脱いで足を浸けた。











「ねぇ、玲王。」




「ん?」








テーピングでも探しているのか、


薬品の並んだ棚を漁る玲王に声を掛ける。









「ここからは一人で大丈夫だから、

お昼食べておいで?



午後の授業でお腹鳴るよ。」







それに、

玲王が戻ってこなくてみんな心配してるだろうし。









「別に。


それならお前だって同じだろ。」





「そ、そうだけど…。」




「っはは、Aって優しいよなほんと。」




「いや、それを玲王が言うの??」









きょとんと不思議そうな顔をする玲王に


少し呆れる。









「ほら、みんな玲王のことを待ってるだろうし。


心配してるかもよ?」










「それは知らないけど、



俺はお前が心配だし。






Aがいない教室に戻っても、

つまんねーだけだから。」



















「つまんない?」


















「つまんねえ。


俺はお前といる時間のほうが好きだ。」







「…っ、」













なに、今の


無自覚で言ってる?











「っし、そろそろテーピングすっか。



足触るぞ?」








冷たい氷水から生暖かい指先が


自分の足首に触れる。





心臓が鳴り止まない。






氷水から引き上げられたばかりの足が


やけに熱く感じた。

33.久々→←31.心配



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設定タグ:ブルーロック , 御影玲王 , 千切豹馬,凪誠士郎   
作品ジャンル:恋愛
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照山紅葉(プロフ) - まむさん» コメントありがとうございます!めっちゃ嬉しいです!今後とも宜しくお願いします〜! (1月18日 7時) (レス) id: 4eedfa653b (このIDを非表示/違反報告)
まむ - 玲王くん、それはな、嫉妬って言うんや。ほんっとうにこの話大好き愛してます (1月17日 22時) (レス) @page15 id: 92ead78b3b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:照山紅葉 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2023年12月31日 15時

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