12.幼馴染み ページ12
「つか俺、その玲王ってやつの顔も知らねぇし。」
『あははっ、
いつものように巻き込ませていただいてます。』
ちょっと悪戯っぽくて懐かしい声が聞こえる。
まぁ、お前に巻き込まれるのは嫌じゃないんだけどさ。
「ったく、
お前のそういう我儘なところは、
俺に似たんだろうな。」
『え〜？だって、
パっと思いついたのが千切だったもん。』
…こいつ…。
お前にそんなこと言われたら、
なんも言い返せねぇだろ。
こんだけ離れた場所にいても、
俺を頼ってくれたことが嬉しくて。
お前が俺にこんな相談してきてる時点で、
脈ナシなのは分かってんのに…
なんだよ、ちょっと期待しちまうだろうが馬鹿。
「…ま、今の俺にはどうすることも出来ねぇから。
頑張れよA。」
『ん、ありがと。
千切に応援されるとか、久しぶりかも。』
「…確かに。
どちらかといえば、今までは
Aが俺を応援してくれてたもんな。」
ちょっと前までは…
よく俺の試合に来て、
客席で応援してくれてた。
そんときは、Aのこと探すのに必死だったっけ…。
中学卒業して高校に入学すると同時に、
Aは東京に引っ越したから、
ここ１、２年は
俺の試合に来ることはなくなった。
その分、テレビとか動画で試合を見てくれてたらしい。
…だけど、俺は去年足を怪我した。
Aには勿論、怪我のことは言ってあるけど、
あんまり心配させたくなくて、
そこまで詳しく伝えてるわけじゃない。
やっと部活に復帰できた今でも、
未だレギュラーに戻ることは出来なくて、
そんな情けない、格好悪い姿を
Aに見せるわけにはいかなくて…
なんとなく、
Aにサッカーの話をすることを避けていた。
『…千切も、頑張りなよ。
楽しそうにサッカーをしてる千切が
私は一番好きだから。』
「…その玲王ってやつよりも？」
『あははっ、どうだろうね？』
「…そっか。
でも、俺もAと話せてちょっと元気出た。さんきゅ。」
あー、
ほんと俺…かっこ悪ぃ…。
完全に妬いてるわ。
「こちらこそ、
話聞いてくれてありがとね、千切。」
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照山紅葉(プロフ) - まむさん» コメントありがとうございます！めっちゃ嬉しいです！今後とも宜しくお願いします〜！ (1月18日 7時) (
レス) id: 4eedfa653b (このIDを非表示/違反報告)
まむ - 玲王くん、それはな、嫉妬って言うんや。ほんっとうにこの話大好き愛してます (1月17日 22時) (レス) @page15 id: 92ead78b3b (このIDを非表示/違反報告)
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