６６ 帰還 ページ21
貴方side
『やっと戻ってきた！』
門を誰かが潜る気配がしたと思えば、台所に顔を覗かせるのは清光と小夜だった。
だが、手には何も持っていなかった。
『…買い忘れしたんじゃないの？』
「それが、勘違いだったみたいで…」
「加州さんのいつものおっちょこちょいだった。」
「ちょっと！小夜！」
ぷいと明後日の方向を見る小夜に、顔を赤くさせる清光。
その二人に苦笑すれば、むっちゃんも後ろで大笑いしていた。
「丁度出来上がった所ぜよ！」
「そういう陸奥守は台所を汚して…。雅じゃない」
「はは…すまんすまん」
私たちが持つ三色団子やおにぎり、つまみ等などを見ると二人は目を輝かせる。
『既に宴会始めてる皆にようやく料理が出来たって伝えてくれる？』
「分かった！」
二人は声を合わせて返事をすると、パタパタと廊下を走り出した。
全く、落ち着きのない二人だと笑えば後ろの三人もつられて笑った。
私たちが桜の木の下へ向かえば、そこには本丸中の刀剣達が集まっていて私と目が合うと分かりやすく目を輝かせた。
「主！」
「主様！」
『お待たせ』
大量の食べ物を中央に、置けば短刀達が筆頭にどんどん減っていった。
適当な所に座っていたのだが、何処からともなく長谷部がやってきて
「主もお召し上がりください。」
『ありがとう、長谷部』
手には私の分のおにぎりとお団子を持っていた。
その姿が楽しげに見えたのか
「はせべばかりずるいです！」
「ぼ、僕も主様の近くにいたいです…」
「僕だって！！」
「僕もです！主君！」
わらわらと粟田口勢がやってきて、私の隣に来たり後から抱きつかれたりと一気に騒がしくなった。
『あらあら。』
「貴様ら！」
『まぁまぁ。いいじゃない。』
いいじゃないの言葉で、短刀達は嬉しそうに笑いその場に座り込んだ。
私の膝の上には五虎ちゃんの虎たちがいて、綺麗な毛並みを撫でてあげるとガルルと喉を鳴らし、気持ちよさそうに目をつぶった。
すると、いつもの鶴の芸や大包平の野菜速斬り芸等が始まり皆を笑いの渦へと誘った。
私はその引き立て役で式神を飛ばして大いに盛り上げた。
そんな中、誰かが本丸の門を潜る気配を感じた。
それは皆も同じようで、騒がしかった辺りが一瞬にして静寂へと変わった。
「…誰？」
ボソリと言ったのは乱で、彼もまた門の方を凝視していた。
今、遠征や出陣している部隊は一つも無い。
政府関係者だって来る予定はない。
……なら、一体誰
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1217人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あごしわ - コナンって光合成みたいに推理しなきゃ逝っちゃう呪いでもかかってるんじゃないかなって思う時がある。 (2020年1月1日 3時) (
レス) id: d41c4bfd58 (このIDを非表示/違反報告)
朧月(プロフ) - 式さん» その案名案ですね！！そうします！！暖かいコメントもありがとうございます(´∇｀) (2018年8月7日 8時) (レス) id: 270593a483 (このIDを非表示/違反報告)
黒桜 亜琉麻(プロフ) - 上でお願い申し上げます！ (2018年8月7日 2時) (レス) id: e742954296 (このIDを非表示/違反報告)
璃奈 - 上でよろしくお願いします。 (2018年8月6日 22時) (レス) id: 9d081775ee (このIDを非表示/違反報告)
裕(プロフ) - 上で、式さんのような感じがいいです。続き楽しみにしてます (2018年8月6日 14時) (レス) id: 01a97476ef (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：朧月 | 作者ホームページ：http://fblg.jp/510814/
作成日時：2018年5月5日 21時
