６５ 通しゃせぬ ページ20
ＮＯside
加州は主が無事に鳥居をくぐった事を確認すると、先程までの表情は一変し鬼のような形相へと変貌する。小夜もそれは同様だった。
「…で？またあんた？」
ゆっくりと振り返れば、階段の脇の木の影に隠れている一人の少年。
そう、江戸川コナンだった。
加州と小夜の異様な殺気にコナンは生唾を飲み込んだ。
「つけて来たんだ」
「ち、違うよ！僕はっ」
「…つけて来てた。結構前から。」
否定するコナンの言葉を遮って小夜が呟く。
その言葉を聞いて、加州の瞳は奥でギラリと光った。
「本当の事言ったら？俺、そろそろ斬っちゃいそうだし。」
「そんな事したら加州さん、主に嫌われるよ？」
「……それは嫌だなぁ」
クスリと笑う加州は、だからやらせるなよ。と低い声でコナンに言う。
当のコナンは金縛りにあったかのように、足と体が動かず背中からは冷や汗が流れ落ちた。
そんな彼にジリジリと近づく加州に、まるで門番のように鳥居の前から動かない小夜。
この光景に観念したコナンは、目を閉じて口を開いた。
「…お兄さん達は、敵？味方？」
「は？何それ。誰に対して？あんたに対して？」
ゆっくりと目を開けるコナンを見て、加州は怒りで震えた。
そんなちっぽけな事のためだけに、主を危険に晒していたのかと。
そんなちっぽけな事のためだけに、主に接近していたのかと。
「そうだよ！」
意をけして殺気を撒き散らす加州に向けて叫ぶ。
当の本人加州は、小夜と目を合わせると口角を上げた。
「敵なんじゃない？少なくとも俺はあんたの事は敵だと思ってる。主の命令が無ければ今頃あんた、あの世行ってるから。」
その言葉に目を白黒させるコナン。
彼女が自分の命を守っている事に驚きを隠せない。
「加州さん、そろそろ戻らないと…」
そうだね。と返す加州に待ってと声をかけるが、加州は振り向かない。
それどころか、何処からともなく濃霧が発生し二人を包み隠した。
その直後に体の自由が戻り霧の中に飛び込んだが、右も左も分からない。
どうしたものかと思っていると美しい女の声が聞こえた。
「人の子。世に帰られよ。」
「っ！？誰だ！？」
辺りに声が響いているため場所を特定できない。
「ここから先は彼の子との契約の上、
通りゃんせ 通りゃんせ
ここはどこの細道じゃ…
只只、歌が聞こえていた
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あごしわ - コナンって光合成みたいに推理しなきゃ逝っちゃう呪いでもかかってるんじゃないかなって思う時がある。 (2020年1月1日 3時) (
レス) id: d41c4bfd58 (このIDを非表示/違反報告)
朧月(プロフ) - 式さん» その案名案ですね！！そうします！！暖かいコメントもありがとうございます(´∇｀) (2018年8月7日 8時) (レス) id: 270593a483 (このIDを非表示/違反報告)
黒桜 亜琉麻(プロフ) - 上でお願い申し上げます！ (2018年8月7日 2時) (レス) id: e742954296 (このIDを非表示/違反報告)
璃奈 - 上でよろしくお願いします。 (2018年8月6日 22時) (レス) id: 9d081775ee (このIDを非表示/違反報告)
裕(プロフ) - 上で、式さんのような感じがいいです。続き楽しみにしてます (2018年8月6日 14時) (レス) id: 01a97476ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：朧月 | 作者ホームページ：http://fblg.jp/510814/
作成日時：2018年5月5日 21時
