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64 察知 ページ19

貴方side


「にしても、現世とはまっこと面白き所ぜよ!」

「ちょっと!陸奥守!勝手に走り出さないで!!」

『勝手にどこか行かないでよ〜?』


興奮気味のむっちゃんが走り出せば、清光はそれを追いかけて走り出す。
それを呆れ顔で見ている私と小夜。

小夜は前田たちと同様に、はぐれないように手を繋いで二人の背を見ながら歩いていた。

無事に買い物を終えられたのはいいものの、むっちゃんが色んな方向に走り出すから帰るに帰れない…。


『小夜は買いたいものある?』

「無い…主といられればそれでいい。」

『いきなり可愛い事言うのやめてっ』


いきなりのデレに主、花びらが舞いそうです……
片手で顔を抑えていれば、いきなり小夜が立ち止まりある一点を凝視していた。


『……遡行軍?』

「…いや、違う。……急ごう。」


彼の見ていた方向を見ようとするが、小夜の馬鹿力に引っ張られて私も走らされる。
何をそんなに急いでいるのかは分からなかったけど、早く戻らないと歌仙たちが料理を作り終えてしまう。

そう思えば私の足も早く回転した。

やっと前にいた二人に追いつけば、むっちゃんはもう帰るのかと口を尖らせていた。
それを見た清光は腕をまくり、無理矢理神社の方へと引っ張り出す。


「主、買い忘れは無い?」

『ええ。…粗方の食材は買ったし……お酒は…陣に頼みましょう』


この姿じゃ、どう足掻いても未成年にしか見えないし、年齢を確認出来る物は一切持ち合わせていない。
それに、この年で生まれたのだから提示される出生日は、2017年と記載されている。
そんなの、店員さんが目を白黒させるに決まっているだろう。

鳥居へと続く階段を登りきると、小夜と清光はピタリと止まる。


『…どうしたの?』

「あー、俺買い忘れた物があるから先に帰っててよ。」

『なら私も』

「走って買うから大丈夫。」


頬を掻きながら言う清光と、真っ直ぐな目で言う小夜にどこか違和感を感じながらも、渋々承諾する。
隣にいるむっちゃんが何か言おうと口を開くが、清光と目を合わせると鋭い目に変わり、大きく頷いた。

何を目で語っている?

問おうとするが、むっちゃんに腕を捕まれる。


「ささ!主!帰るぜよ!燭台切たちが首をなんがくして待っとるじゃきに。」

『え、ええ。…早く帰ってきてね?』


鳥居を潜る直前に振り返れば、二人はニッコリと笑って手を振っていた。
まぁ、清光がいれば大丈夫か。

あ……財布って渡してたっけ??

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あごしわ - コナンって光合成みたいに推理しなきゃ逝っちゃう呪いでもかかってるんじゃないかなって思う時がある。 (2020年1月1日 3時) (レス) id: d41c4bfd58 (このIDを非表示/違反報告)
朧月(プロフ) - 式さん» その案名案ですね!!そうします!!暖かいコメントもありがとうございます(´∇`) (2018年8月7日 8時) (レス) id: 270593a483 (このIDを非表示/違反報告)
黒桜 亜琉麻(プロフ) - 上でお願い申し上げます! (2018年8月7日 2時) (レス) id: e742954296 (このIDを非表示/違反報告)
璃奈 - 上でよろしくお願いします。 (2018年8月6日 22時) (レス) id: 9d081775ee (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 上で、式さんのような感じがいいです。続き楽しみにしてます (2018年8月6日 14時) (レス) id: 01a97476ef (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:朧月 | 作者ホームページ:http://fblg.jp/510814/  
作成日時:2018年5月5日 21時

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