50 黒幕 ページ5
彼の言葉に目を見開く。
『やはり、今回の件も遡行軍が?』
「俺達も最初はそう思ったんだが、奴らの銃兵を弾を避けながら必死に片っ端から奪い取って銃を見たんだが…」
『うん、なんかごめんね?』
「俺達に向けられて発砲された以外の痕跡は残っていなかった。」
『……となると、痕跡を抹消したかこれは本来あるべき事件なのか』
遡行軍の仕業なのか元々の歴史なのか私達には全く検討がつかなかった。
『こんのすけ。』
「はい、ここに。」
名を呼べば何処からともなく現れて、私の肩に乗る狐
『今回のこの事件が、歴史上の事実なのか否か調べて。』
「そう仰られると存じていましたので、こんのすけは既に調べてあります!」
驚いて肩のこんのすけを見れば、ドヤ顔で私とまんばちゃんを凝視する。
「私は山姥切様よりも優秀なので!」
「…おい、そこの狐…斬ってやろうか?」
ドヤ顔のこんのすけに対して、カタカタと肩を震わせながら抜刀しようと柄に手を伸ばしている彼。
いやいや、刀身とか見えてるから…
『斬ったらダメ!斬ったらダメ!』
顔の前で手でバツ印を作れば、彼は狐鍋になるぞ…とか物騒な事を発言する。
そんな中、コホンと咳払いをして話し始めるこんのすけ。
「今回の件は、歴史上の事実です。」
その事に胸を撫で下ろしていると、この狐は爆弾を落とした。
「しかし、彼が殺されるのは少しばかり早かったようです。」
『…どういう事?』
「はい、本来の歴史ならば彼は約2ヶ月後に今回の犯人、栗山秋子に刺殺で殺されるはずでした。」
射殺ではなく、刺殺…その意味に背筋が凍る。
歴史が変わってしまった可能性。
『歴史の乱れは?』
私がそう言うと、肩から飛び降りて地面に着地する。
そして、目をぱちくりさせると目から光線が発され、地面に膨大な量のデータが写し出される。
「目立った乱れはありません。ただ、新山財閥の跡取り息子である新山慎二が死亡した事で、来月に予定されている新山コーポレーションの事業継承が執り行う事が出来ません。」
『それを欠かすことで未来が変わる可能性は?』
「0%です。」
『…ならばいい。』
そろそろ戻らないと怪しまれると思い、まんばちゃんには引き続き調査と警護を伝える。
こんのすけは頭を下げると煙となって消えていった。
踵を返して、再び扉を抜けて会場の中に足を進める。
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あごしわ - コナンって光合成みたいに推理しなきゃ逝っちゃう呪いでもかかってるんじゃないかなって思う時がある。 (2020年1月1日 3時) (レス) id: d41c4bfd58 (このIDを非表示/違反報告)
朧月(プロフ) - 式さん» その案名案ですね!!そうします!!暖かいコメントもありがとうございます(´∇`) (2018年8月7日 8時) (レス) id: 270593a483 (このIDを非表示/違反報告)
黒桜 亜琉麻(プロフ) - 上でお願い申し上げます! (2018年8月7日 2時) (レス) id: e742954296 (このIDを非表示/違反報告)
璃奈 - 上でよろしくお願いします。 (2018年8月6日 22時) (レス) id: 9d081775ee (このIDを非表示/違反報告)
裕(プロフ) - 上で、式さんのような感じがいいです。続き楽しみにしてます (2018年8月6日 14時) (レス) id: 01a97476ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朧月 | 作者ホームページ:http://fblg.jp/510814/
作成日時:2018年5月5日 21時