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49 質問攻め ページ4

私の言葉に七瀬さん以外の、その場にいた人全員が目を見開く。
それもそうだ。自ら怪しいと名乗りを上げているようなものなのだから。


「……それは何故ですか?」

『職業柄の事情でして…申し訳ない。』

「では、名前と年齢だけでも…」


険しい顔で問いかける目暮警部と苦笑して私に問いかける彼。


「彼女に関しては何も触れないで頂きたい。」


しつこい彼に厳しい口調で発言する、七瀬さん。
それに反発しようとした所を、高木君。と目暮警部に言われて渋々引っ込んだ。

警部に従う事から、恐らく彼は高木という名の刑事さんらしい。


「失礼、貴方は?」

「七瀬晴美と申します。」


彼女は無言で手帳を開くと、警部さん達にしか見えないように自身の所属している部署をかざす。

その内容に目ん玉が飛び出るんじゃないかと思うくらい、びっくりしている二人に思わず笑ってしまう。


「何故貴方のような方がここに?」

「それに、お二人の関係は…」


私達は顔を見合わせる。
そして、彼女は口を開いた。


「ただの上司と部下のようなものです。」


その答えに二人は、はぁ?とため息混じりの声を出す。
その後二人は瞬時に私が政府の人間である事を理解すると共に、私が名を明かせないことに頭を抱えているようだった。

それもそうだ。どこからどう見ても、私が部下で彼女が上司だ。上司が答えられて、部下が答えられないとはどういう事だ?と誰もが思うはず。

ふと視界に映る半開きの扉の向こうに、白い布が見えた気がした。

まんばちゃんだろうか?


『すみません、少しお手洗いに行っても?』

「ええ、構いませんよ。」


失礼。と礼をすると、七瀬さんは口パクでお任せ下さい。と伝えてきて返事の代わりに微笑んだ。

彼女はエリートでプロだ。
私の情報を漏らしてはいけない事は百も承知。
故に、私が政府の人間だと知った彼らが第三者に漏らさぬように、釘をさしている頃だろう。

仮にこの事を第三者に漏洩すれば、貴方達の意見など関係なく拘束される。本来は知っただけでも罪なのだ…と。

まぁ、今回は致し方のない事だ。
殺人事件ともなれば捜査するのが仕事。
よって、彼らには罪はない。

廊下に出れば、壁にもたれかかって私の事を待っていた彼…山姥切国広。

彼は今正装…つまりは、一般人には見えないのだ。
この状況下でこれほど好都合な事は無い。


『どうしたの?』

「潜伏していた遡行軍を殲滅した。」

50 黒幕→←48 探偵団



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あごしわ - コナンって光合成みたいに推理しなきゃ逝っちゃう呪いでもかかってるんじゃないかなって思う時がある。 (2020年1月1日 3時) (レス) id: d41c4bfd58 (このIDを非表示/違反報告)
朧月(プロフ) - 式さん» その案名案ですね!!そうします!!暖かいコメントもありがとうございます(´∇`) (2018年8月7日 8時) (レス) id: 270593a483 (このIDを非表示/違反報告)
黒桜 亜琉麻(プロフ) - 上でお願い申し上げます! (2018年8月7日 2時) (レス) id: e742954296 (このIDを非表示/違反報告)
璃奈 - 上でよろしくお願いします。 (2018年8月6日 22時) (レス) id: 9d081775ee (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 上で、式さんのような感じがいいです。続き楽しみにしてます (2018年8月6日 14時) (レス) id: 01a97476ef (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:朧月 | 作者ホームページ:http://fblg.jp/510814/  
作成日時:2018年5月5日 21時

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