56 契り ページ11
NOside
Aが、完全に容疑から外れた事でコナンは不服そうに彼女を睨みつけていた。
そして、彼らしくなくどうやって犯人にでっち上げようか等とも考えている。
だが、どう足掻いても彼女は周りの人間に助けられするりとかわしていく。
コナンの力量では不可能だった。
「あのお姉さん犯人じゃなかったね」
「共犯でもありませんでしたし」
「悪い事しちまったな…」
分かりやすく己の罪悪感からしょんぼりする少年探偵団と、口を尖らせて何やら考えているコナンに哀はため息をついた。
「珍しいじゃない?貴方がそんなに彼女を犯人にしようと足掻くだなんて。」
「灰原…」
「なぜそんなに彼女に執着するのかしら?」
この事を哀に伝えようと、口を開こうとしたが彼女を心配させたくないコナンはその口を噤んだ。
まだ、確信している訳では無いのに彼女に話しても不安を煽るだけだ。
そう心の中で思っていた。
「…なんでもねぇよ。」
彼女は隠し事を暴くのが上手い。
コナンはその事を気付かれないように、その場を静かに立ち去る。
彼の頭には謎で埋め尽くされていた。
なぜ、安室が庇うのか。なぜ、神田や渡辺までもが彼女を庇うのか。なぜ、身元を警察にまで明かさないのか。なぜ…
安室や神田や渡辺が庇う理由をいくつも考えた。
けれど、コナンの考えついた先は「彼女が立場の高い人」もしくは「彼女は組織の人間で、安室たちがグル」
前者は大いに有り得ることだ。けれど、身元を隠す事にコナンは引っかかった。
上の立場なら事情が無い限り、躊躇なく答えるはずだ。
だが、彼女はそれをしなかった。
故にコナンは、後者の方に視点を当てた。
彼女を中心に何かのお騒動起こせば、ボロが出るんじゃないか?
そう思ったコナンは徐に腕の時計に手を伸ばす。
目線の先には神田と話している彼女。
首に狙いを定めた時、レンズ越しに誰かの手が映りこんだ。
目を見開いて顔を上げれば、鬼の形相のような加州がそれを阻んでいた。
「…何してるの?」
「あ、や…レ、レンズが汚れているなって…」
「ふぅん…それ本当?」
「う、うん!」
「
戸惑いながらも頷くコナンに加州は口角を上げた。
「
その不気味な笑みと、言葉にコナンは背筋が凍りついた。
加州は彼女の元に戻り際にコナンを睨みつけた。
「次は無いから。」
その言葉にコナンは全てを見透かされている気がした。
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あごしわ - コナンって光合成みたいに推理しなきゃ逝っちゃう呪いでもかかってるんじゃないかなって思う時がある。 (2020年1月1日 3時) (レス) id: d41c4bfd58 (このIDを非表示/違反報告)
朧月(プロフ) - 式さん» その案名案ですね!!そうします!!暖かいコメントもありがとうございます(´∇`) (2018年8月7日 8時) (レス) id: 270593a483 (このIDを非表示/違反報告)
黒桜 亜琉麻(プロフ) - 上でお願い申し上げます! (2018年8月7日 2時) (レス) id: e742954296 (このIDを非表示/違反報告)
璃奈 - 上でよろしくお願いします。 (2018年8月6日 22時) (レス) id: 9d081775ee (このIDを非表示/違反報告)
裕(プロフ) - 上で、式さんのような感じがいいです。続き楽しみにしてます (2018年8月6日 14時) (レス) id: 01a97476ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朧月 | 作者ホームページ:http://fblg.jp/510814/
作成日時:2018年5月5日 21時