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溢れる涙を腕で拭った桜柱は、むくりと起き上がると意を決したように刀を抜いた。
切っ先を禰豆子に向け、振りかぶった所で、水柱が慌てた様子で彼女を羽交い絞めにする。
『義勇っ何を！』
「その娘は、違う」
『何が違う！鬼だ！鬼を見逃しては鬼殺隊の名が泣く！』
「そういう意味ではない。他の鬼と違い、人を襲わないと確認した」
冨岡の言葉に、Aは息をのんだ。
『何を言って……義勇、貴方だって数多の鬼を見てきたでしょう？その中に一匹でも襲わなかった鬼がいたか？いなかっただろう！なら、この子が罪を重ねる前に命を絶つのがこの子のためではないの！？』
「分かっている。だが、俺の話を聞いてほしい」
真剣な声色に、彼女は黙り込む。
続けて冨岡は、起こったことの顛末を事細かく話した。
そして、妹が気絶した兄を庇い、水柱に攻撃してきたことにAは目を見開いた。
固まった桜柱に「この兄妹は自分が責任を持つから見逃してほしい」と切願した。
沈黙の中、桜柱が大きく溜息をつくと握っている刀が離れ、地面に突き刺さる。
それを見た冨岡は、ゆっくりと羽交い絞めを解く。
彼女は、冨岡に振り返ると鋭い眼光を向けた。
『…頭である私に見逃せと言うのならば、それ相応の責任でしょうね？』
真剣な表情で頷く水柱に、彼女は更に問う。
『その責任を教えてくれる？』
「…この二人を元水柱、鱗滝左近次へ預けようと思う」
『確かに。あの方ならば、何かあれば二人の頸を落とすのは容易い』
「……俺は、腹を切る覚悟も出来ている」
冨岡のその言葉に、彼女は微かに目を見開くと共に、眉を分かりやすくひそめた。
『…なぜ、そこまでこの兄妹を庇う？』
「……かけてみたいと思った。他の鬼とは違う何かに」
桜柱は、目を伏せながら倒れ込む兄妹を見つめた。
彼女の見つめる瞳は、慈愛に溢れていて、切なく揺れていた。
それを見た冨岡は、疑問を持つと同時に、Aの瞳の色と倒れている兄の瞳の色が同じことに気付いた。
だが、髪色も雰囲気も異なっているため身内とは考えづらい上に、彼女には血の繋がった家族はいないと聞いていた。そのため、身内ではない…しかし、その視線は明らかに他人ではないと冨岡は思った。
「……知り合い、なのか？」
水柱の問いかけに、彼女の瞳は分かりやすく揺れた。
けれど、彼を見つめ返す瞳はいつもと変わらない、柱頭としてのそれだった。
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ゆり - え！待って、私も桜柱なんだけど❗しかも、桜の呼吸一緒です (2021年11月11日 20時) (
レス) @page1 id: b7d6d649b3 (このIDを非表示/違反報告)
＊舞夜＊(プロフ) - 面白かったです！ �，任�願いします！！ (2021年10月4日 18時) (レス) @page49 id: a571a62cd6 (このIDを非表示/違反報告)
朧月(プロフ) - 安仙任さん» こちらこそ、引き続き読んでいただきありがとうございます！ (2021年1月7日 15時) (レス) id: 2c921dc331 (このIDを非表示/違反報告)
安仙任(プロフ) - 続きを書いてくれてありがとうございます。これからも応援しています！私は�，�いいです！ (2021年1月7日 13時) (レス) id: 80f06437e4 (このIDを非表示/違反報告)
蕨 - �，任茲蹐靴�お願いします (2021年1月7日 11時) (レス) id: e40d74d461 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：朧月 | 作者ホームページ：http://fblg.jp/510814/
作成日時：2020年4月7日 16時
