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少し走ると、崖下に見覚えのある羽織を着た男が目に入った。
その男は、Aの気配を感じると腰に下げてある刀を抜いて構えるが、彼女の顔を見ると微かに目を見開いて鞘へと静かに収めた。
『…義勇？』
「なぜ頭がここに」
顔面蒼白で呼吸の荒い桜柱に声をかけるも、彼女は彼の足元に倒れている兄妹に目を見開いた。
そして、瞬時に崖下へ飛び降りると二人に脈があるか確認をする。
『…生きて…る』
二人の体温の温かさと、規則正しい脈。
意識は無いものの、気絶してると知った彼女はポロポロと涙を流し、雫は二人の頬を濡らした。
よかった。と喜ぶと同時に、妹 禰豆子の気配に顔をしかめた。
そう、その気配は人ではなく鬼だ。
目を白黒させる桜柱に、水柱は追い打ちをかけるように言う。
「その娘は鬼だ。兄の言い分を聞くに、鬼にされたらしい」
『………は？』
冨岡の言葉を聞いて、絶句するA。
童磨に狙われ家族を捨て、鴉から盗聴紛いの事をしてみれば、挙句の果てに家族は殺され、生き残った妹は鬼となった。
あまりにも自分の身に、立て続けに起こった悲劇に、彼女の頭は付いていけず、ついにはワッと両手で顔を覆って地面に転がった。
突然の桜柱の異変に、水柱は驚いた様に彼女を凝視する。
『……私は一体…何のために……ここまで…』
言葉の間で嗚咽が漏れ、冨岡は桜柱が泣いているのだと知った。
泣きながら、Aは考えた。家族を殺したのは誰かを。まず、童磨ではない。
あいつは、自分の家族があと二人だと言った。
ならば、本当の家族の存在を知らなかったはずだ。
知っていたとしても、あいつは女を好んで食う。
母と妹二人が食われてなかったのが童磨ではないと物語っている。
なら、一人しかいないじゃないか。
鬼舞辻無惨
ただの鬼だったとしても、対抗する力を持たなかった自分の家族は皆殺しにされるだろう。
けれど、
力のない鬼や十二鬼月なら、間違いなく殺した後に食うだろう。
しかし、少し齧られただけで綺麗に残っていた。
何より、妹が鬼に
そんな芸当ができるのは、鬼舞辻無惨ただ一人。
犯人が分かった瞬間、桜柱は乾いた笑いを零した。
「童磨に家族を殺されるのが嫌で、自分から本当の家族を捨てて、遠ざけてきたというのに、結局鬼に殺されたのか…ならば、私が家族を捨てた意味は何だったのか。」
自分を自分で嘲笑した。
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ゆり - え！待って、私も桜柱なんだけど❗しかも、桜の呼吸一緒です (2021年11月11日 20時) (
レス) @page1 id: b7d6d649b3 (このIDを非表示/違反報告)
＊舞夜＊(プロフ) - 面白かったです！ �，任�願いします！！ (2021年10月4日 18時) (レス) @page49 id: a571a62cd6 (このIDを非表示/違反報告)
朧月(プロフ) - 安仙任さん» こちらこそ、引き続き読んでいただきありがとうございます！ (2021年1月7日 15時) (レス) id: 2c921dc331 (このIDを非表示/違反報告)
安仙任(プロフ) - 続きを書いてくれてありがとうございます。これからも応援しています！私は�，�いいです！ (2021年1月7日 13時) (レス) id: 80f06437e4 (このIDを非表示/違反報告)
蕨 - �，任茲蹐靴�お願いします (2021年1月7日 11時) (レス) id: e40d74d461 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：朧月 | 作者ホームページ：http://fblg.jp/510814/
作成日時：2020年4月7日 16時
