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カナエが柱となって数カ月経ったころ、Aは任務に向かっている最中の事だ。
「カァアア！カナエガ上弦ト遭遇！」
桜柱の鴉、名を
上空から羽ばたきながら、遠回しでカナエの身が危ないという事をAに伝える。
それを聞いた彼女は、目を見開き勢いよく足にブレーキをかけた。
急に止まったせいで、辺りに土ぼこりが舞い上がる。
『案内して、浅葱』
「マカセロ！」
カアと一鳴きすると、西へと飛び始め彼女も全速力で走り出す。
「どうか、今度こそ間に合ってくれ」と願いながら足を動かす。
死んでいった継子や弟子たちの死顔が頭をチラつく度に、背中を冷や汗が流れ落ちる。
緊張感と、焦りから呼吸は次第に浅くなっていく。
それを感じ取った浅葱が容赦なく、Aの頭をつついた。
「シッカリシロ！！」
『……ごめん、おかげで目が冴えた！』
そう言うと、彼女は両手で頬を叩き更に走る速度を上げた。
『いるのはカナエだけ？しのぶは？』
「シノブハ屋敷ニイルハズダ！」
『なら、私が到着次第しのぶを呼んできて』
「承知シタ！カァア！」
森を抜け、村が見えてきた。
そして、曲がり角を何度も曲がると、目の前に見覚えのある扇子と虹色の瞳が視界に入った。
彼女が目的地に着いた刹那、浅葱は方向転回してしのぶを呼びに空へ飛び去った。
横目で見届けたAは、鞘から刀を抜くと肺に空気を送り込む。
『＿＿＿桜の呼吸 弐ノ型 桜流し 清流』
鬼が持っていた対の扇子を呼吸で後方へ弾き飛ばす。
そして、倒れているカナエの隣に立ち、まだ脈がある事を確認するとAは泣きそうな顔を浮かべた。
「し、はん？」
『カナエ…もう大丈夫』
カナエは、師範の穏やかな笑みを見ると、静かに涙を流し「はい」と微かに返事をして、浅く呼吸を繰り返す。
彼女の無事を見届けたAは、正面の鬼___童磨を睨みつける。
「やあ！久しぶりだねぇ！随分大きくなったね！」
『黙れ。よくも私の継子や弟子たちを殺してくれたな』
「え？だってそういう約束だったでしょ？君の家族を皆殺しにして、君を食べるっていう」
『家族だけのはずだ！』
「それなのにっ！！」と叫ぶと、持っている刀の柄を腕の血管が浮き出るほど力強く握りしめる。
何のために家族を捨てて、死に物狂いで柱に上り詰め、柱頭にもなったと思っているんだ。と今まで溜め込んできた怒りが、童磨を前にして頂点を迎えようとしていた。
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ゆり - え！待って、私も桜柱なんだけど❗しかも、桜の呼吸一緒です (2021年11月11日 20時) (
レス) @page1 id: b7d6d649b3 (このIDを非表示/違反報告)
＊舞夜＊(プロフ) - 面白かったです！ �，任�願いします！！ (2021年10月4日 18時) (レス) @page49 id: a571a62cd6 (このIDを非表示/違反報告)
朧月(プロフ) - 安仙任さん» こちらこそ、引き続き読んでいただきありがとうございます！ (2021年1月7日 15時) (レス) id: 2c921dc331 (このIDを非表示/違反報告)
安仙任(プロフ) - 続きを書いてくれてありがとうございます。これからも応援しています！私は�，�いいです！ (2021年1月7日 13時) (レス) id: 80f06437e4 (このIDを非表示/違反報告)
蕨 - �，任茲蹐靴�お願いします (2021年1月7日 11時) (レス) id: e40d74d461 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：朧月 | 作者ホームページ：http://fblg.jp/510814/
作成日時：2020年4月7日 16時
