那田蜘蛛山 ページ26
それから早くも二年が経過し、Aは齢二十二となっていた。
この二年、柱の半数が姿を消した。
殉職、負傷、年老いたなど理由は様々であった。
肺を負傷した、胡蝶カナエもその中に含まれていた。
しかし、実力ある者は多く、すぐさま空いた穴は新しい隊員で埋まった。
空いた六つの席に、風柱、蛇柱、炎柱、蟲柱、霞柱、恋柱の順で腰を下ろしたのだった。
『お呼びでしょうか、お館様』
月明かりの下、縁側で娘二人と戯れる産屋敷の背に向かってAは跪いた。
「これから任務だというのに、呼び出してすまないね」
『とんでもございません』
「さっき、那田蜘蛛山に十二鬼月がいるという情報が入ってね、しのぶと義勇を向かわせたんだ」
『存じております』
「うん、けれど大事なことを言い忘れてしまってね」
何のことか、皆目見当もつかないAは、首を傾げる。
月を見上げながら、産屋敷は続けて言う。
「那田蜘蛛山にはね、炭治郎と禰豆子も向かったそうだ」
その言葉に、彼女は目を見開いた。
「義勇はともかく、しのぶは何も知らない。この意味が分かるね？」
『…はい』
「任務地に着くのが少し遅れてしまうだろうけど、一言「炭治郎と禰豆子を殺さず、連れ帰る」と頼めるかな？」
君が行く方が、鴉より速い。
そう付け加えると、Aに振り返って微笑んだ。
もう、視力もそう無いだろうに、そんなことはないかの様に彼女を捉えて微笑むのが、産屋敷という男だ。
『承知いたしました』
「頼んだよ」
『御意』
頭を下げたAは、隠に背負われ屋敷から離れたところへ下ろされると、頭上を飛んでいた浅葱を懐に仕舞い込み、物凄い速さで走り出した。
那田蜘蛛山に着き、速さを落とさず山の中へと侵入する。
すると、川の反対岸で鬼と猪の頭をした鬼殺隊員らしき少年が対峙していた。
少年は、頭を掴まれ苦しそうに抵抗するが相手の鬼はびくともせず、頭を握り潰そうと力を徐々に込めていった。
『浅葱、離れてて』
Aがそう言うのを待っていたがの如く、一瞬で懐から出ると空へと舞い上がった。
彼女は、腰の刀に手を添え、深く息を吐いた。
＿＿＿桜の呼吸 弐ノ型 桜流し 清流
地面を蹴った次の刹那、少年の頭を掴んでいた鬼の腕が地面に落ちた。
少年は地面に落ち、起こった出来事に目を白黒させる。
一瞬だった。
そして、桜の花びらが一弁舞ったと思うと、次は鬼の頸が飛んでいた。
その光景に、猪＿＿嘴平伊之助は目を輝かせた。
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ゆり - え！待って、私も桜柱なんだけど❗しかも、桜の呼吸一緒です (2021年11月11日 20時) (
レス) @page1 id: b7d6d649b3 (このIDを非表示/違反報告)
＊舞夜＊(プロフ) - 面白かったです！ �，任�願いします！！ (2021年10月4日 18時) (レス) @page49 id: a571a62cd6 (このIDを非表示/違反報告)
朧月(プロフ) - 安仙任さん» こちらこそ、引き続き読んでいただきありがとうございます！ (2021年1月7日 15時) (レス) id: 2c921dc331 (このIDを非表示/違反報告)
安仙任(プロフ) - 続きを書いてくれてありがとうございます。これからも応援しています！私は�，�いいです！ (2021年1月7日 13時) (レス) id: 80f06437e4 (このIDを非表示/違反報告)
蕨 - �，任茲蹐靴�お願いします (2021年1月7日 11時) (レス) id: e40d74d461 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：朧月 | 作者ホームページ：http://fblg.jp/510814/
作成日時：2020年4月7日 16時
