まるで魔法みたい ページ3
「……ひ、ぁ」
ゆっくりと近づく魔獣。
私の恐怖を、長引かさせるような行動に講演会に来ていた人たちが次々と逃げていく。
誰も私に気づいてないかの様だった。
「ゴギュルルルルルウゥ」
「……っ」
目の前にいる巨大な獣。これまで、見たことがないもの。
その恐怖で足がすくむ。
魔獣が口を開けた瞬間、私は反射的に目をつぶってしまっていた。
「ちょっと待ったあぁぁぁぁ!!!」
……女の子の、声?
目の前から風を感じ、恐る恐る目を開けると。
そこには、先程の声の主であろう少女がいた。
膝裏までの黒いロープに大きなリボンでハーフアップにされた紫色の髪。
そんな少女が背中を私に、そして、持っていた杖を魔獣の方へ向けた。
『“再現”』
少女が呪文の様なものを唱えると、杖から火球が飛び出る。
その球は真正面にいた魔獣に当たり、魔獣は相当なダメージを負っている様だった。
「なに、これ……」
ただの杖から炎を出せるなど聞いたことがない。
これが、魔法?
「すまぬ、少々時が過ぎてしまっていたな」
少女がこちらを向き、そう言った。
……ん?すまぬ?時が過ぎる?
「ふっ、我の豪壮なる魔法に言葉が出ないようだな。しかし、安心するがよい」
すると、少女はまた魔獣の方を向きこう言った。
「我は“再現”の魔女! 心配せずとも、無傷で家に帰してやるぞ!」
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作者名:ぐれーぷふるーつの妖精 | 作成日時:2021年1月29日 23時