食い違う日 ページ34
地響きのする方向へと段々と歩いている内に、ボサボサ髪の少女の後ろ姿が見えた。
彼女は血塗れの剣を手にして、私たちの方へと振り向いて来た。
「何だ？そのヘルメット野郎……じゃないのか？アンタ、女みたいな顔だな」
「……うん、女だよ」
「……なるほど、窮屈なヘルメットでもして隠してたって訳か」
彼女は片目をぎろりとこちらに向けて、私のぼさぼさの金の髪と顔を見てくる。
黒い瞳と黒い髪はどこか揺れているように見えて、私も他の同性を見た時は驚いたものだと向かい合いつつも言葉を短く交わすだけだった。
「なあ、アンタは……男を連れているだけの弱っちい身か？そいつらを信用してるってのか？」
「そう」
「アンタ、変だな。そんな野郎らに背中を預けているんだろ？いつ手を出されるか判らないだろ」
「……そうかな」
「ああ、とっても変だ」
少女は男っぽい口調で、私を罵るような近い言葉で語りかけてくる。
自分は彼女の言い分がいまいち理解出来無くて、首を小さく傾げて怪訝そうな表情で彼女を見詰めていた。
彼女自身ははあと大きく溜め息をついた後に、剣先をこちらに向けた。てかてかと血に濡れた銀に驚くも、前にはボーが立った。
「君の羽織っている物は……ブラッドの物だろう？君はブラッドと親しい間柄の存在なのかい？」
「……その名前を言うな、そいつは嫌いなヤツだ」
「ああ、そうかい」
「まさか、君……彼が捜していた人かい？」
「知らないな」
彼女はケッと怪訝そうに顔を歪ませて、剣をしまった。
そして地響きのする方向へと歩んでいたのに気付いて、自分もその後についていくだけだった。
「……うっとおしいぜ、アンタたち」
「同じ道だよ」
「別にさ、僕たちはバディのことは気にしてないから、うん」
「……馴れ馴れしいな」
前ですたすたと歩いていたが、走り出してどこかへと行った。
自分たちは未だに歩いている足で歩き続けていたので、周りから見れば呑気に見えてしまうのかもしれない。
「近いね」
「うん……」
「死体ばかりじゃないか……あーせっかく女の子がいるのに、辛気臭い気持ちになっちゃうね……」
「……」
音に近寄れば近寄るほど、死体が増えていっている。
それを見て段々気持ちが落ち込んでいくが、道が全然無いのだった。
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さとうみさん - ラムネサイダーさん» ありがとうございます！今さらご返信なんて、とんでもないことをしていますが同士様がいらっしゃるとは！嬉しい限りです！またいつかLISAは短編でどこかで書こうと思っておりますので、そのときはよろしくおねがいします！ (2020年9月20日 22時) (
レス) id: 3ed32e075b (このIDを非表示/違反報告)
ラムネサイダー - ジャックとボーが大好きなので最高です。 (2020年8月19日 21時) (レス) id: 36b99241c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さとうみさん | 作成日時：2020年4月24日 23時
