日常と非日常。【水溜りボンド】

・ ページ15

(カンタside)




あれからどのくらい時間が経ったんだろう。


俺は暑さで目が覚めてしまった。

自分の額を触ってみると案の定とても熱い。



ボウルに入ってるタオルを取ろうとするが手が引っかかってしまい
水ごと床にぶちまける。




もう嫌だ。体調管理も上手く出来なくて皆にも迷惑掛ける。

そう考えるとさっきあんだけ泣いたのに涙がまた出てきた。



「もっ、、嫌だっ、、」



ずっと泣いてるとドアが開く音がした。
咄嗟に布団に潜って息を潜めてると、


「カンタ…？お前は何に悩んでる？俺にももっと頼ってよ…」


なんてトミーらしくない少し弱い声で言われたから
布団の裾から少しだけ顔を出して


「…トミーは寂しくないの…？


最近忙しかったのは充分分かってる。けど2人きりの
時間が取れなくも無かった。なのにトミーが最近
キイチとばっか一緒にいるからっ、、


寂しかったんだよ、、トミーと、もっと一緒に居たいのにっ、、！」



最後の方は半ば叫ぶ様に大きな声で言ったから頭痛が酷い。
涙を袖でゴシゴシと拭くと急にトミーに抱き締められた。



「ごめんな。そこまで追い込んでたなんて思っても無かった。
中々時間が作れなくてカンタもちゃんと待っててくれるかなって
思ってた俺が馬鹿だった。本当にごめん、こんな熱出すまで追い詰めて…」


なんて優しく額に手を置く。



「お前が言える訳無いから俺がちゃんと見てるべきだったな。
体調良くなったら存分に甘やかすから許して」



なーんて強く抱き締めながら言ってくるから許すに決まってる。



「…良いよ、約束ね？」



「もちろん」



熱で力が入らないからトミーに抱き締められたまま身体を
預けてるけどやっぱり落ち着く。



「一旦冷えピタ持ってくるから待ってろ」


「ん…わかった、すぐ戻って来てね…？」


たまには素直になってみる。そしたらトミーが小さく笑ったと思ったら



俺の耳元で





「カンタの独占欲可愛過ぎてやばいわ」って。




顔が熱いのは熱のせいかな。






end.

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