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持つべきものは人徳 ページ10

四時間・・・寝れただけでもいいか。


「腕折れてるからお願い」

『私そういう専門的なの出来ないってば・・・』


ふぁ、と欠伸をしながら治療を断る。髪結んだまま寝たからぐしゃぐしゃだ。結んでいる髪を解き、横ではなく後ろで一つに結ぶ。サイドテールは鏡がないと出来ない。


『太宰さんが異能無効化じゃなければ治癒出来たんだけどね。他の人の所行ってきなよ。私に頼まれて来ましたーって云えば悪い顔はされないと思うから』


私が医療班になってから数日だが、私のお陰で仕事量がぐんと減った、と他の医療班の方々からかなりの好印象が持たれたのだ。

自|殺ばっかして怪我と医療班の仕事を無駄に増やす太宰さんは医療班からしたら最悪の印象だが、太宰さんの怪我の治療を大体している私が、太宰さんが大怪我した時に専門的な治療が出来ない故に頼めばちゃんと了承してくれる。

持つべきものは人徳。他人からの信頼って結構大事。


「僕のこと心配じゃないの?」

『心配して欲しければ怪我の量減らしなよ。てか自|殺の頻度減らしてよ。貴方が昼夜問わず自|殺未遂しまくる所為で私が寝不足なんですけど』

「人の趣味嗜好にいちいち文句付けないでくれる」

『面倒臭いなお前・・・』


ああ云えばこう云う太宰さんに面倒臭くなり、行ってらっしゃい、と送り出そうとすれば「渚生も行くんだよ」と腕を引っ張られる。うわ、呼び出し?真逆の?森さんからの呼び出しってだいたい碌な事じゃないからな・・・

厭な顔をしても行かなきゃいけないのは変わらないので、立ち上がって椅子に掛けていた白衣に袖を通す。仮にも医療班なのでコレを着ないといけないのだ。というか私が子供なので着なかったら舐められる。前例有り。


石川さん(医療班の人)の処へ行き、太宰さんの怪我の処置をした後首領の執務室へと向かう。

私がノックをしようとするのを無視し、勝手に扉を開けた。そういうとこやぞ太宰治。


「どーも、お邪魔しまーす」

『失礼します』

「やぁ太宰君、渚生ちゃん。待ってたよ」


部屋の中には森さんと蘭堂さん、そして橙髪の少年が・・・っあ(察)

嘘だろ、真逆十五歳始まってた系?私が呑気にお昼寝してた時間に太宰さん達擂鉢街居たのか。嘘だろなんで起こしてくれなかったんだよ私だって一寸若かりし頃の広津さん見たかったんだけど。広津さんの落椿見たかったんだけど。

何気に無視が一番キツいよねって話→←ツン九割



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作者名:Wolf @ 元フェアリー | 作者ホームページ:http  
作成日時:2024年3月18日 17時

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