頑張りましょう ページ3
「マフィアの首領は来ると思うか」
「来るでしょう。社長を殺す、絶好の好機ですから」
社長は目を閉じる。然して「構成員同士で延々血を流し合うよりは善い」とだけ云うとクル、と踵を返して社長室へと戻って行った。
ああいう大人って格好良いなと思う。結局、仮に結婚するなら社長なんだよね・・・理想だけで云えば・・・
「・・・・・・おい、太宰。説明しろ。マフィアの首領と・・・密会だと?」
「そうだよ。敦君の着想から豪く大事になったものだ。幾ら組合が最大の脅威になったとは云え・・・」
片手を挙げ、やれやれと云いたげな声で説明する太宰さんの言葉を、国木田さんが「待て待て待て!!」と困惑した表情で遮る。
「何が何やら・・・・・・第一、何故お前が密会の手筈を整えている?」
「元マフィアだから。国木田君以外は皆知っているよ?」
この共同戦線を行うにあたって、太宰さんが皆に自分が元マフィアだと話したのだ。
然しまぁ、あんまり此れと云った変化はなかった。
乱歩さんは当たり前に気付いていたみたいで興味なさげだったし、与謝野さんは「ふぅん、」という感じで新聞に載っている殺人事件に夢中だったし、賢治君は云わずもがなよく判っていないみたいだった。
谷崎君やナオミちゃん、敦君は結構序盤の方で知ってたし。社長は片眉をピク、と動かしただけでそんなに・・・兎に角半分の人間は知ってたか興味ないかのどっちかだった。
固まったまま何も云わなくなった国木田さんを太宰さんがつん、と突くとバタァン、と派手な音を出して国木田さんは倒れてしまった。
・・・・・・胃に穴開いたかな・・・
時は過ぎ、真夜中。私と太宰さんは山道を歩いていた。
『・・・あの、これ私必要ですか』
「Qは君と一緒に居る時が一番落ち着いているからね。Qの安定剤係だよ」
『嗚呼、なるほど』
久作、落ち着いてくれてんのかぁ・・・なら良いけど。13歳の男の子を背負うのって行けるかな・・・一寸浮かせればなんとかなるか・・・久作は体重激軽だし。
ううん・・・と色々考えていると突然開けた場所に出る。
「あれが、Qの監|禁施設か」
久作。出来ることなら助けてやりたかったけど、居場所判んなかったしどうしようもない。取り敢えず今は久作の安定剤係を頑張ろう。
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作者名:Wolf @ 元フェアリー | 作者ホームページ:http
作成日時:2024年3月18日 17時