検索窓
今日:17 hit、昨日:82 hit、合計:4,406 hit

頑張りましょう ページ3

「マフィアの首領は来ると思うか」

「来るでしょう。社長を殺す、絶好の好機ですから」


社長は目を閉じる。然して「構成員同士で延々血を流し合うよりは善い」とだけ云うとクル、と踵を返して社長室へと戻って行った。

ああいう大人って格好良いなと思う。結局、仮に結婚するなら社長なんだよね・・・理想だけで云えば・・・


「・・・・・・おい、太宰。説明しろ。マフィアの首領と・・・密会だと?」

「そうだよ。敦君の着想から豪く大事になったものだ。幾ら組合が最大の脅威になったとは云え・・・」


片手を挙げ、やれやれと云いたげな声で説明する太宰さんの言葉を、国木田さんが「待て待て待て!!」と困惑した表情で遮る。


「何が何やら・・・・・・第一、何故お前が密会の手筈を整えている?」

「元マフィアだから。国木田君以外は皆知っているよ?」


この共同戦線を行うにあたって、太宰さんが皆に自分が元マフィアだと話したのだ。

然しまぁ、あんまり此れと云った変化はなかった。

乱歩さんは当たり前に気付いていたみたいで興味なさげだったし、与謝野さんは「ふぅん、」という感じで新聞に載っている殺人事件に夢中だったし、賢治君は云わずもがなよく判っていないみたいだった。

谷崎君やナオミちゃん、敦君は結構序盤の方で知ってたし。社長は片眉をピク、と動かしただけでそんなに・・・兎に角半分の人間は知ってたか興味ないかのどっちかだった。


固まったまま何も云わなくなった国木田さんを太宰さんがつん、と突くとバタァン、と派手な音を出して国木田さんは倒れてしまった。

・・・・・・胃に穴開いたかな・・・




時は過ぎ、真夜中。私と太宰さんは山道を歩いていた。


『・・・あの、これ私必要ですか』

「Qは君と一緒に居る時が一番落ち着いているからね。Qの安定剤係だよ」

『嗚呼、なるほど』


久作、落ち着いてくれてんのかぁ・・・なら良いけど。13歳の男の子を背負うのって行けるかな・・・一寸浮かせればなんとかなるか・・・久作は体重激軽だし。

ううん・・・と色々考えていると突然開けた場所に出る。


「あれが、Qの監|禁施設か」


久作。出来ることなら助けてやりたかったけど、居場所判んなかったしどうしようもない。取り敢えず今は久作の安定剤係を頑張ろう。

被る→←【双つの黒】



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (33 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
84人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:Wolf @ 元フェアリー | 作者ホームページ:http  
作成日時:2024年3月18日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。