モブCを巻き込むな【HQ】

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『じゃあ名前知ったってことで、クロ先輩、蓮見ませんでした？』


まぁ知らないと思うが一応聞いておいて損は無いだろう。


「蓮？あぁ、そっちのセッターちゃんか」

『あの5番さんに似てるセッターちゃんです』

「それならチビちゃんと一緒に居たよ？」

『チビちゃん？』


チビちゃんて誰だ？身長小さい人、身長小さい人･･･音駒の3番さん、烏野の西谷先輩、10番くん、あと･･･
私が悩み始めたのを悟ったのか、チビちゃん=日向翔陽だと教えてくれた。


『日向くんのことチビちゃんって呼んでるんですか。性格悪いと思いますよ』

「後輩ちゃんも身長小さいもんなー」

『縮め』｢急に辛辣デスネ｣


身長の話はタブーだぞコノヤロー。
てか後輩ちゃんって何？アレ、名前言ってなかったっけ。
･･･言ってねぇか。


『あ、私川倉Aです。1週間宜しくお願いします』

「急デスネ。ま、いいか。宜しくネ。川倉ちゃん」


胡散臭いな(失礼)
こんなこと言っちゃダメなんだろうけどすごい胡散臭い。なんかそういう選手権で優勝出来そう。


「今なんかすごい失礼なこと考えてない？」

『･･････いや、全然、別に』


なんか見透かされてそうな目をされたのでちょっと目を逸らす。


「チョット？川倉ちゃん？」


その時、キャアアア！と大きな声がした。
ちょうど水道付近のところ。

私はクロ先輩と顔を見合わせると、走って叫び声がしたところに向かった。



水道に着くと、他校も女バレも、皆集まっていた。
皆の視線が集まっている方を見ると、ビショ濡れで泣いている心愛先輩と、それに向き合って突っ立っている花蓮先輩。そして地面に転がっているスポドリの容器があった。


『どういう、状況･･･？』


全く状況が掴めない。いや、分かるのだが、心が追いついてこない。
多分、花蓮先輩が心愛先輩にスポドリの中の水、もしくはスポドリをかけた。まぁ、普通は(・・・)そう思うだろうけど。

何となくどういう事かがわかってしまう。
というか実際にあるの？こういうのって。
漫画とか小説とかでしか見た事ないし、夢小説でn億回見たような内容。


「かっ、花蓮ちゃんがぁ"お前みたいな奴いらないからマネージャーやめろ"って言ってぇ、スポドリかけてきてぇ･･･」


泣きながら説明する心愛先輩。だとしたら後ろ側は濡れないハズなんだけどなぁ。
それに対して必死に弁解している花蓮先輩。
周りの目がどんどんキツくなっているのは、気の所為では無いだろう。

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